行政手続きのペーパーレス化・オンライン化を推し進める河野太郎・行政改革担当相は2020年10月7日、こうツイートした。「チャンネルって、もう、回さないの?」フォロワーからは、「いまは押す時代ですよ」、「大臣!今はダイヤルも回しません!」といった声が寄せられている。かつてのテレビのチャンネル操作がダイヤル式だったことを知らない世代もいるといった声も寄せられた。いつ頃からチャンネルを「回す」機会が減っていったのだろうか。「チャンネル」回すのは昭和フォロワーからは、昭和を懐かしむコメントが寄せられている。NHKやメーカーのパナソニック公式サイトなどによると、日本でテレビが登場したのは、戦後復興が進む1950年代。冷蔵庫や洗濯機と合わせて「三種の神器」と持て囃された家電の一つだった。NHKが1953年(昭和28年)にテレビの本放送を開始し、民放もこれに続いた。最初はモノクロだったが、60年代からカラーテレビの放送が始まる。64年には東京オリンピックが行われ、衛星中継をお茶の間で楽しんでいたと言われる。この間、テレビのチャンネルは「回す」ものだった。70年代には多くの家庭にカラーテレビが置かれるようになり、ビデオデッキといった周辺機器も充実し始める。このころ、現在にも続く赤外線リモコンが登場した。これまでにもリモコン自体はあったが、有線のリモコンは踏んでしまうといったトラブルがあったようだ。超音波式のリモコンもあったが、こちらは音による誤操作も起きていたという。チャンネル操作のたびに席を立つ必要がなくなる赤外線リモコンによって、「回す」機会は減っていったとみられる。そして昭和が終わる80年代には、ビデオデッキやレンタルビデオが広まることで、テレビの画面を楽しむ人が増え始める。それに合わせてテレビ本体のデザインはシンプルになっていき、ダイヤルも消えていった。89年から始まる平成以降の時代は、リモコンのボタンでチャンネルを変えるのが主流となった。令和の「チャンネル」といえばYouTube河野氏のリプライには、かつてを懐かしむ声が寄せられている。さらに現在「チャンネル」といえば、YouTubeだといった声も寄せられている。「YouTubeチャンネルをグルグル回って見ています」「チャンネル回したらここに来ました(河野大臣のYouTubeチャンネルリンク)」「何言ってるんですか?チャンネルは登録する時代ですよ?」そして河野氏は翌7日、再び時代の変化を指摘するツイートを行った。「チャンネルは回さず、ダイヤルも回さず、ビデオは巻き戻さず、レンジはチンせず、蛍光灯は紐を引っ張らず、お風呂屋さんに富士山はなく、アイドルはブラウン管の向こうにおらず、ディスクはフロッピーでなくなり、カセットテープで音楽を流さず、ウェーイ」
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