2020年 11月 24日 (火)

「彼らは今回、フェイクニュースを書くまでもない」 ロシアが介入する「必要なかった」米大統領選の混沌

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   2016年の米大統領選ではロシアがトランプ大統領を勝利させるために介入したとする「ロシアンゲート」が問題化したのとは対照的に、今回の大統領選でロシアの存在がクローズアップされることは少ない。

   今回の大統領選では、無関係な画像に「トランプ票が捨てられている」といった説明をつけて拡散したりする「誤情報」、いわゆる「フェイクニュース」が相次いだのに加えて、トランプ氏が自ら根拠不明な情報を次々に拡散。ロシア側がわざわざ「フェイクニュース」を流さずとも、単に米国で流れている情報を拡散するだけでロシア側にとっては事足りる、という皮肉な状況になっている。

  • ロシアメディアもトランプ氏の発言を相次いで報じている
    ロシアメディアもトランプ氏の発言を相次いで報じている
  • ロシアメディアもトランプ氏の発言を相次いで報じている

トランプ氏のツイートを「至急」「速報」で伝える

   トランプ氏は日本時間の11月4日から5日にかけて、開票について不正行為が行われたことを示唆するツイートを連発。 次々にツイッター社から「コンテンツに異議が唱えられている」とする警告の表示をつけられた。この状況を次々にロシアのメディアも伝えた。

   11月4日午後には、トランプ氏が

「我々は大勝利しようとしているが、彼らが選挙を盗もうとしている。そんなことは決してさせない。投票所が閉まったら投票できない!」

とツイート。ほどなくして警告の表示がついた。ロシア国営の国際放送「ロシア・トゥデイ」は、この経緯を

「トランプ氏が選挙結果を『大勝利』と主張し、『盗もうとしている』と相手陣営を非難 ツイッターからは『ミスリーディング』の警告」

の見出しで伝えた。

   11月5日夜、トランプ氏は「開票をやめろ」とツイート。このツイートを、ロシアの政府系通信社「スプートニク」も

「至急:選挙結果が不透明な中、『開票をやめろ』とトランプ大統領がツイッターで求める」

とツイッターで速報。その後もトランプ氏のツイートについて

「速報:投票日後に到着した票はすべて開票されない、とトランプ氏」

の見出しをつけて報じた。

   「ロシア・トゥデイ」と「スプートニク」は、西側諸国から「フェイクニュース」の発信源として批判されているメディアだが、少なくとも上記の記事については、トランプ氏の行動やツイッター社の反応について事実関係に誤りは見当たらない。

「我々が自分でフェイクニュースを量産」

   米NBCテレビは、誤情報の監視を続けている元FBI捜査官のクリント・ワッツ氏の話を引用する形で、

「今回については、ロシア、イラン、中国が重大な干渉をしたとは言えない。彼らは今回はフェイクニュースを書く必要はない。我々(米国側)が自分でフェイクニュースを量産しているからだ」

と指摘している。

   トランプ氏の周辺も、本人同様に根拠不明情報の発信源になっている。トランプ氏の息子のエリック・トランプ氏は11月6日、

「ペンシルバニア、ミシガン、ネバダ、ジョージア、ウィスコンシンで報告されている不正の量は現実的ではない。個人的な経験を教えてほしい」

とフェイスブックとツイッターで主張。トランプ氏と同様に警告の表示がつけられた。

   NBCは、誤情報の監視を続けている「民主政治体制を守るための同盟」ブレット・シャーファー氏の話を引用する形で、ロシアのプロパガンダ機関は(トランプ陣営による)不正行為の主張を広く報じているが、そこから踏み出す形で、その内容を増幅はしていないと指摘している。

「ロシア側が今言っていることのほとんどは、米国が混乱していて、混沌としていて、民主主義が崩壊している、ということだ」

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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