2021年 2月 28日 (日)

電通本社ビル売却と「2023年問題」 テレワーク定着でこれから起きるコト

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   電通グループの本社ビル(東京都港区)売却検討が注目を集めている。2021年1月に「検討している」と発表し、売却額は国内のビル取引として最大級の3000億円規模になる見通しだ。直接的には赤字決算続きの経営不振を受けた財務基盤強化策という電通固有の事情だが、背景にはテレワークの定着で広いオフィスが必要なくなってきたこともある。東京都心のオフィスの空室率はジワジワ上昇しており、コロナ禍による働き方の変化がオフィスの需給にボディーブローのように効いているようだ。

   電通本社ビルは地上48階・地下5階建て、高さは約210メートル、延べ床面積約23万平方メートル。東証上場翌年の2002年、JR新橋駅に近い汐留地区に完成、約60の飲食店などからなる商業施設「カレッタ汐留」が入っている。ビルで勤務する電通社員は9000人を超えるが、現在はテレワークで出社率は2割程度という。コロナ禍が収束しても、テレワーク活用の流れは変わらないと判断している。

  • 在宅勤務の定着とオフィス需要の関係が…(画像はイメージ)
    在宅勤務の定着とオフィス需要の関係が…(画像はイメージ)
  • 在宅勤務の定着とオフィス需要の関係が…(画像はイメージ)

電通以外にも売却の動き

   売却先として、不動産大手のヒューリックが有望視され、条件を詰めているとされるが、電通は売却後も本社として賃借して使う方針。ただ、使用面積は半分ほどに圧縮する方向という。

   電通はネット広告の台頭で、既存のテレビや新聞を中心とした主力の広告事業が苦戦し、2月15日に発表したグループの2020年12月期連結決算は最終損失1595億円と2期連続の赤字だった。特に、国内の低迷を挽回すべく海外で積極的に資本提携やM&A(買収・合併)に取り組んだものの、期待した成果を生んでいない。

   電通と言えば深夜残業当たり前の「ハードワーク」の代名詞でもあったが、過労死で勤務見直しに取り組む中でコロナ禍に見舞われた。2020年2月に社員に感染者が出るといち早く、全社的に在宅勤務に切り替えたことで、働き方改革が加速した。その結果として本社オフィスが過剰になったことが、今回の売却方針につながった。

   本社ビル売却としては2020年12月、音楽大手のエイベックスが、東京・南青山の「エイベックスビル」の売却を発表した。売却先はカナダの不動産ファンドとみられ、電通と同様、売却後は賃借で引き続き本社として使う方針という。アパレル大手の三陽商会も東京・銀座の旗艦店ビルを売却した。

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