2024年 4月 20日 (土)

中田翔の巨人初アーチ、スポーツ紙の「一面独占」 「取り上げ方が気持ち悪い」疑問の声も

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   プロ野球・北海道日本ハムから巨人へ移籍し、2021年8月22日の試合で移籍後初ホームランを放った中田翔選手。試合翌日、スポーツ各紙は一面で中田選手の活躍を報じた。

   ただ、中田選手は日本ハムで暴行事件を起こし、「当面の間の出場停止処分」を受けていたばかり。ツイッター上では、活躍を報じるメディアに対し「取り上げ方が気持ち悪い」「美談にしようとしてる」と厳しい声も聞かれている。

  • 中田翔の移籍後初ホームランがスポーツ紙の一面を独占
    中田翔の移籍後初ホームランがスポーツ紙の一面を独占
  • デイリースポーツの一面は「ロハスV弾」だった
    デイリースポーツの一面は「ロハスV弾」だった
  • 中田翔の移籍後初ホームランがスポーツ紙の一面を独占
  • デイリースポーツの一面は「ロハスV弾」だった

事件発覚からわずか11日で...

   中田選手は07年高校生ドラフト1位で4球団競合の末、大阪桐蔭高校から日本ハムに入団。11年~20年には10年連続で2桁本塁打を記録し、3度の打点王に輝くなど、チームの主砲として活躍してきた。

   しかし、今季は前半戦まで39試合で打率.193、4本塁打と苦しんでいた。そうした中、日本ハムは8月11日に「中田選手の違反行為と処分について」と題した文書を公式サイトに掲載。内容は8月4日、DeNAとのエキシビションマッチの試合開始前に、中田選手がチームメイト一人に対し暴力行為を行ったというものだった。球団は球場からの退場と自宅謹慎を命じ、11日から当面の間の一軍・ファーム全試合における出場停止処分を下した。

   16日には日本ハムの栗山監督が「このチームでは難しい」と、中田選手のシーズン中の復帰困難を示唆する発言をしたことが、スポーツ紙などで報じられた。

   その4日後の20日、巨人への無償トレードでの移籍が決定した。移籍決定後、記者会見に臨んだ中田選手は「皆さんに迷惑をかけてしまったこと、本当に反省しています」と謝罪。その上で「一から自分をしっかり見つめ直してやっていきたい」と巨人での活躍に意欲を見せていた。

   会見を開いた同日中に一軍練習に合流すると、翌21日には代打で移籍後初出場。22日には巨人の長嶋茂雄終始名誉会長と面会する様子が報じられ、5番・一塁でスタメン出場した試合でも移籍後初ホームランを放った。

   事件が明るみになってから、移籍先の巨人で活躍するまで、わずか11日の出来事だった。

一面で報じたスポーツ4紙、共通点は...

   巨人でホームランを打った試合翌日の23日、スポーツ紙は中田選手の活躍を大きく報じた。東京版の一面で報じたのは、日刊スポーツ、サンケイスポーツ(サンスポ)、スポーツニッポン(スポニチ)、スポーツ報知の4紙だ。

   サンスポは「中田巨人1号!!頭下げた『忘れられない一日』 長嶋さん大喜び!!激励パワー『さすが。真の強打者』」、スポニチは「中田巨人1号 ミスター"神予言"大当たり!!」という見出しで報じた。そして、スポーツ報知は一面とウラ一面(最終面)をつなげる大掛かりな構成で報道。見出しは「G1号中田 初スタメン原監督『起死回生的』 窓ドンッ長嶋さん大興奮『真の強打者』」だった。

   日刊スポーツは「長嶋さん直ゲキ!!事件判明11日後 中田弾」という見出しで報道。記事には漫画家・やくみつるさんのイラストも掲載されていた。イラストはホームランを打たれて「痛ぁ~い」「Gの新番長に不意打ち見舞われた~」と悔しがるDeNA・今永昇太投手を、打った中田選手が「コラァッ誤解招くやろが!」「バットで挨拶じゃ」とにらみつける、というものだった。

   いずれも共通するのは、長嶋さんと関連づける形で、中田選手の活躍を伝えているという点だ。

   なお、デイリースポーツの一面は「阪神・ロハスV弾 来日後右打席初の一発!連敗脱出、12度目の首位陥落危機も救った」だった。

「無期限謹慎はどこへ行った?」「プレーで誠意を示せばいい」

   ツイッター上で聞こえてくるのは、メディアに対する違和感の声だ。

「スポーツ紙の一面の見出しが中田中田中田中田。無期限謹慎はどこへ行った?」
「長嶋さんを利用するな」
「マスコミの取り上げ方が気持ち悪い」
「メディアが中田のを美談にしようとしてるのが嫌」

   日本ハムには中田選手から暴行被害を受けた選手が在籍する。中田選手がどのような経緯で暴行を働き、該当選手がどのような被害を受けたかなど、正式に明らかになっていない点も多い。中田選手の活躍を取り上げるメディアに対しては「暴力事件はどうなったの?何処のマスコミも取上げ無いんですが・・・」「暴力事件のこと、メディアが揃いも揃ってなんでこんなスルーなん...?」と疑問の声も聞かれている。

   一方で、被害を受けた選手とは「和解」が済んでいるという報道もあり、「もう許してあげても良くない?」「あとはプレーで誠意を示せばいいやろ」と、中田選手の巨人での活躍を見守ろうとする向きもあるようだ。

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