宇宙機エンジニアの野田篤司さんが2022年1月25日、宇宙を舞台としたSFアニメ「プラネテス」に対し「何処が面白いんだ」「実際に宇宙をやっているプロとして迷惑している」などとツイッターで批判した。同作原作者の漫画家・幸村誠さんはその後ツイッターを更新。野田さんの投稿との関係は明示していないものの「全くもってプラネテスはフィクション」「『面白くない』というご感想については、全くボクの力不足で申し訳ございません」としている。主人公は「もし私のところに配属されたら、速攻で、不適格者としてクビだ」野田さんは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)で36年間、超小型衛星の開発をはじめ宇宙開発に携わってきた研究者。2021年にJAXAを定年退職してからも、宇宙に関わる研究を続けている。「プラネテス」は、同タイトルのSF漫画を原作とするアニメだ。宇宙開発によって生まれるゴミ「スペースデブリ」を回収する業者に焦点を当て、宇宙開発が進んだ未来の姿を描いた。野田さんは「プラネテス」を途中まで視聴したとして、ツイッターに感想を書き込んだ。「プラネテス 今まで見ていなかったので、義務的に再放送を3話目まで見ているのだが 何処が面白いんだ、このアニメ」野田さんは、主人公の行動や態度に違和感を覚えたという。「軌道力学的な考察が無茶苦茶なのは、まだ許せるが、主人公だあろう新人、もし私のところに配属されたら、速攻で、不適格者としてクビだ 宇宙特にEVAを甘く見すぎている」(原文ママ)「死にたくなかったら、誰も、こう言うのはバディとして組みたくない まだ3話目までだが、4話目以降、劇的に面白くなるのか?」アニメを視聴した理由として「プラネテスの影響で宇宙に対して誤解してる人が多く、実際に宇宙をやっているプロとして迷惑しているので、義務でも何でも最後まで見なくてはと」という点をあげている。「7話までは何とか見ようと思う」野田さんの投稿には、実業家でYouTuberの堀江貴文さんも反応した。「の、割にデブリの危機を不必要に煽っててめっちゃ迷惑なんすよねー、、、」堀江さんは、ロケット開発を手がけるインターステラテクノロジズ(北海道大樹町)の子会社で衛星技術を手がけるOurStars(同)のCEO(代表取締役社長)を務め、野田さんはOurStarsのCTO(最高技術責任者)を務めている。野田さんも堀江さんのコメントに同調し、作中のデブリの描き方に異論を唱えた。「ですね 『デブリを過度に問題多い物』とした上で『簡単に除去で切る物』として描いていますね 本当に除去が必要なデブリは『EVAで簡単に近付いて除去できるような物』ではないし、『有人宇宙船で撮りに行けるほど低い高度ではない』です」(原文ママ)それでも野田さんは同アニメをしばらく視聴するつもりだとしている。「プラネテス ファンが多い作品なので、『面白くない』と言ったら、案の定、反論があった 正直、見るのが苦痛だから、3話でやめようかとも思ったが、どうやら7話まで我慢したら面白くなると言う助言を頂いたので、7話までは何とか見ようと思う」原作者「みーんな空想、フィクション、現実ではございません」「プラネテス」原作者の漫画家・幸村誠さんは、野田さんが今回同作アニメについて最初に投稿してから数時間後、野田さんの投稿との関連は明言していないものの、次のとおりツイッターに投稿した。「えー、ちょっとひと言お断りを。全くもってプラネテスはフィクションでございまして、ウソばっかりでございます。ありもしない宇宙船、ありもしないデブリ、いもしない人物、未来が舞台のボクの空想でございます」その上で「『面白くない』というご感想については、全くボクの力不足で申し訳ございません」とお詫びしている。続くツイートでは、ファンへの感謝をつづった。「みーんな空想、フィクション、現実ではございません。OK?その上でお楽しみいただけましたら幸いです。その上で、読者の皆様の心に何かポジティブな気持ちを呼び起こすことができましたなら、それはたいへん漫画家冥利に尽きます。プラネテスをお楽しみくださっている皆様、ありがとうございます」
記事に戻る