ゼレンスキー氏への「中傷キャンペーン」日本でも 「薬物使用」偽情報が複数拡散

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

   ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は薬物依存症だとの趣旨のSNS投稿が、立て続けに拡散されている。

   いずれも合成などにより仕立て上げられた事実無根の内容で、政治的な意図を持った偽情報との見方もある。

  • エリオット・ヒギンス氏のツイッターより
    エリオット・ヒギンス氏のツイッターより
  • エリオット・ヒギンス氏のツイッターより

「トランス状態の動画をアップロードしてすぐに削除」

   「ゼレンスキー、自ら公開したビデオを削除。机上の覚醒剤が見えてしまったからだ」――こんなツイートが2022年4月20日に投稿され、約5000リツイートされている。

拡散したツイートの例
拡散したツイートの例

   ゼレンスキー氏が写った解像度の低い3枚のスクリーンショットが添えられており、執務机の一部が赤い丸で囲われている。直線に伸びた白い線を強調している。投稿者の書き込みと照らし合わせれば、ゼレンスキー氏が薬物を使用している場面を誤って公開してしまったと解釈できる。

   スクリーンショットの上部にも、中国語で「ゼレンスキー大統領が(薬物で)トランス状態の動画をアップロードしてすぐに削除された」と書かれていた。

   しかし、元の動画はゼレンスキー氏のインスタグラムで現在も公開されており、薬物を使用した痕跡は確認出来ない。白い線も、机の模様と写真立ての反射が合わさってできたものとみられる。

ゼレンスキー氏のインスタグラムより
ゼレンスキー氏のインスタグラムより

コカイン使用を肯定?実は3年前のフェイク動画

   同様の情報はほかにもある。4月19日ごろから、ゼレンスキー氏がコカイン使用を認めたとする英語字幕付きのインタビュー動画が日本で拡散している。

拡散したツイートの例
拡散したツイートの例

   コカインについて問われたゼレンスキー氏が「素晴らしい」「一日のエネルギー源になる」と発言したとしている。動画の右上にはなぜか「STOP HATING RUSSIA(ロシアを憎むのはやめよう)」と書かれていた。

   視聴者からは「こりゃやばい」「ウクライナ民が哀れすぎる」と鵜呑みにするような反応が少なくない。

   元動画は、ユーチューブで見つかった。ウクライナのニュースサイト「ウクライナ・プラウダ」が2019年1月に投稿している。

元動画
元動画

   同サイトはそれから3か月後、この動画を元にして「ゼレンスキー大統領候補(当時)が薬物依存症を告白したとされる偽の動画がSNSで広まっている」と注意を促している。

   ゼレンスキー氏はコカインを使用しているか問われ、「私は薬物を使用していません。私はコーヒー愛好家なので、コーヒーの匂いを嗅ぐだけです。私はコーヒーが大好きなんです」と答えただけだという。ウクライナ大統領選で作られた虚偽ニュースが、再び流布した格好だ。

ウクライナ・プラウダの注意喚起
ウクライナ・プラウダの注意喚起

「継続的な中傷キャンペーンの最新版」

   英調査報道機関「べリングキャット」創設者のエリオット・ヒギンス氏は4月24日、親ロシア派のSNSアカウントが現在、ゼレンスキー氏を中傷するために大量のコカインをデジタル処理で追加した動画を投稿しているとツイートした。

エリオット・ヒギンス氏のツイッターより
エリオット・ヒギンス氏のツイッターより

   添付された動画には、リモート会談するゼレンスキー氏が映っているが、机に堂々と白い粉が盛られていた。

   ヒギンス氏は「加工前」のオリジナルだとする動画も投稿しており、こちらでは白い粉は確認できない。英BBCのシャヤン・サルダリザデ記者は、元動画は3月上旬に撮影されたと指摘している。

   米ローリングストーン誌(ウェブ版)は23日、この動画はフェイクで「ウクライナ大統領に対する継続的な中傷キャンペーンの最新版である」と位置付けている。前述のインタビュー動画も、英語圏で広まったという。

姉妹サイト