2024年 4月 28日 (日)

中国ネット民は、なぜ安倍氏暗殺を喜ぶのか 環球時報が披露した「エクストリーム擁護」

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「彼らは一般にあまり洗練されておらず、あえて愛憎を明示的に表現」

   その理由として第2次世界大戦や靖国神社参拝に対する安倍氏の立ち位置を挙げ、

「日本の首相、特に安倍氏は長年、日本の戦争の歴史を反省すると言いながら、一方で靖国神社に敬意を示し、米国寄りの立場をとって台湾問題に干渉してきた。これは絶対に受け入れられないし、中国国民も許せない」

などと主張。エリート以外の中国人の国民性にも触れた。

「中国の人々は、実は自分たちの感情が外の世界に注目されることを恐れていない。彼らは一般にあまり洗練されておらず、あえて愛憎を明示的に表現する」

   その上で、

「外国人が中国にひどい仕打ちをしたら、死後も中国人の寛容さは得られない」

とも主張した。この論考は次の一節で締めくくられ、安倍氏の死去を喜ぶネット環境は「中国社会の進歩」「文化的寛容さ」を反映したものだと結論づけている。

「今日の中国は、もはやそれほどとらえどころのないものではない。ほとんどすべての感情を表現する手段があり、それは中国社会の進歩を象徴している。また、中国の世論環境では、違いを受け入れることができ、これは中国式の文化的寛容さとみなすことができる」

   こういった中国の「ネット世論」は、安倍氏を追悼する中国人にも向けられる。例えば、安倍氏に2回にわたって単独インタビューしたことがある香港・フェニックステレビのリー・ミャオ東京支局長が微博(ウェイボー、Weibo)に追悼の書き込みをした。この書き込みには大量のコメントがついたが、最も注目を集めたのは、発言が「勇気がある」というもの。安倍氏を追悼するのに「勇気」が必要な空気感を反映しているとも言える。

   こうした状況には、米国のエマニュエル駐日大使も反応した。7月12日のツイートで、安倍氏への追悼の声が世界中で広がっていることを「目を見張る思い」だとした上で、次のように指摘している。

「残念ながら日本在住の中国人報道関係者の一部が、人としての思いやりを示したという理由で本国のネット民から批判されている。さらに悪いことに、彼らはこの暗殺を祝っている。中国はもっとましになれるはずだ」

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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