2024年 5月 6日 (月)

韓国専門家を「一発殴りたい」 金与正氏、怒りの「4000字談話」が示唆したこと

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   北朝鮮の金正恩総書記の妹で朝鮮労働党副部長の金与正(ヨジョン)氏が、韓国の専門家の分析に「一発殴りたい」などと激怒している。北朝鮮は「偵察衛星開発のための重要実験」を行ったと発表したが、韓国側は準中距離弾道ミサイル(MRBM)だと分析。その性能も疑問視したことに反発した。

   与正氏は、今回の発射はあくまで衛星開発のための「実験」だと主張する一方で、開発を進めている大陸間弾道ミサイル(ICBM)にも言及。すでに再突入のための技術は確立しているとしており、米国本土まで届きうる通常軌道での発射も示唆した。

  • 北朝鮮は「偵察衛星開発のための最終段階の重要実験」だと主張している(写真は労働新聞から)
    北朝鮮は「偵察衛星開発のための最終段階の重要実験」だと主張している(写真は労働新聞から)
  • 仁川とソウルを撮影した写真も配信された(写真は労働新聞から)
    仁川とソウルを撮影した写真も配信された(写真は労働新聞から)
  • 北朝鮮は「偵察衛星開発のための最終段階の重要実験」だと主張している(写真は労働新聞から)
  • 仁川とソウルを撮影した写真も配信された(写真は労働新聞から)

韓国メディア「地球観測衛星としても使えない」「実際の写真とは信じられない」

   日韓の防衛当局は2022年12月18日、北朝鮮が2発の弾道ミサイルを発射したと発表。北朝鮮の国家宇宙開発局は国営メディアを通じて、この日に「偵察衛星開発のための最終段階の重要実験」を行ったと発表した。「衛星撮影およびデータ伝送系統と地上管制システムの能力を評価することに基本目的を置いた」として、ミサイルから撮影されたとみられる、ソウルや仁川の上空写真も配信された。北朝鮮の発表によると、搭載されたカメラは20メートルの大きさのものが識別できる性能を持っている。

   ただ、韓国メディアは「弾道ミサイル」だという見方を変えておらず、その性能も疑問視している。例えば朝鮮日報によると、偵察衛星には0.5メートルの大きさのものが識別できる程度の性能が必要で、北朝鮮の発表を

「軍事衛星や偵察衛星と言えるレベルではなく、地球観測衛星としても使えない」
「当初撮影できなかった可能性もあるし、いつ、どこで撮影されたか分からない。実際の写真とは信じられない。欺瞞(ぎまん)かもしれない」

などと酷評する専門家の談話を載せている。

「1回だけの実験に高価な高分解能撮影機を設置し...」

   北朝鮮側の反応は素早く、与正氏は国営メディアを通じて12月20日付で談話を発表。朝鮮語で4000字近い長文で、序盤で「ぺちゃくちゃとしゃべる連中を一発殴りたい気持ちは山々だが、何から言うべきか分からない」と、いらだちをぶちまけた。

   カメラの解像度をめぐる指摘には、

「一度、理に合わせて常識的に考えてみろ。誰が830秒に過ぎない1回だけの実験に高価な高分解能撮影機を設置し、実験をするのか」

として、あえて性能が低いカメラを載せたとする主張を展開。発射されたのは弾道ミサイルだとする主張には、

「一度でも事前に何かを発表してみたことがあり、発射体の機種や発射位置を一度でもまともに突き止めたことがあったのか」

と、過去に韓国側が地名を間違えた事例を列挙しながら、探知能力を疑問視した。実験のためでなければ、「屑鉄のような旧型ミサイルをなぜ打ち上げたのか」とした。

   周辺国が懸念しているICBM開発についても言及。弾道ミサイルに不可欠な再突入の技術が確立されていないとの指摘には、ミサイル先頭部から送信されたデータを着弾の瞬間まで受信できたとして、すでに確立されていると主張した。

   北朝鮮は11月18日に新型ICBM「火星17号」を、高い角度で打ち上げて飛距離を抑える「ロフテッド軌道」で発射している。すでに米本土に届く性能がある可能性もあるが、通常軌道で発射しないと性能は分からない、とする指摘も出ていた。

   この点については、

「やってみれば分かることであり、見れば分かること」
「ほらを吹くのはほどほどにし、自重、熟考する方がよかろう」

などと主張。今後、通常軌道で発射する可能性を示唆した。仮に通常軌道で発射すれば米国本土の近くに着弾する可能性もあるが、談話は

「最近の出来事をじっくり振り返ってみろ。われわれがやると言ったことをやりそこなったことがあったのかを...」

という1文で締めくくられている。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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