2024年 4月 28日 (日)

ビーチで女児遊泳→「猛毒ハブクラゲ」に刺され救急搬送 侵入防止ネット内で起きた異常事態、管理者の見解は

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   沖縄のリゾートホテル前のビーチで、猛毒のハブクラゲに刺され、子供が一時「心肺停止」になったと、親族がツイッターで報告した。

   設置されたクラゲ侵入防止ネット内で泳いだにもかかわらず、被害に遭ったという。どんな状況だったのか、ホテルなどに話を聞いた。

  • 沖縄県の広報課も注意喚起
    沖縄県の広報課も注意喚起
  • ハブクラゲ
    ハブクラゲ
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  • ハブクラゲ

数時間前に同じビーチで被害発生も、ホテルは対応せず?

   ツイッター投稿によると、2023年8月11日夕、7歳の女児がクラゲネット内で泳いでいると、ハブクラゲに突然刺され、心肺停止になった。ビーチ横のプールにたまたま医師がいて、女児の心肺蘇生を行ったところ、女児は息を吹き返した。その後、ドクターヘリで病院に運ばれたが、両手両足が広く刺されており、足は足首からももの付け根まで刺された跡が残っているという。

   投稿した親族は、ホテルの監視員などがクラゲに刺されたときに適切な対応をしなかったと不満をつづった。同じビーチのクラゲネット内で、別の男児が数時間前にハブクラゲに刺されて病院に運ばれたという。ビーチを遊泳禁止にして、クラゲ発生の掲示などをしたのは、この親族が再発防止を訴えてからだったと指摘している。

   親族は、警察に相談したといい、沖縄県警は15日、「ハブクラゲに注意!」とサイト上でお知らせを出した。そこでは、11日に本島北部のビーチで遊泳者が刺される事故が2件発生したとして、クラゲネット内で泳ぐことなどの注意を呼びかけ、ビーチ管理者にはクラゲネット内で事故が起きないよう管理の徹底を求めている。県も16日、プレスリリースを出し、このビーチは名護市内だったとして、被害に遭った児童2人のうち1人は、一時意識不明になったが、その場に居合わせた医師の措置で意識を回復し、病院に運ばれたと発表した。

   県の情報サイトによると、ハブクラゲは、県内のほぼ全域で見られ、大きくなると傘が10センチ以上、毒を放出する触手が2メートル近くになる。半透明の傘で見つけにくいといい、刺されるととても痛く、ショックを起こすこともある。広く刺されると、心肺停止になる恐れもあるという。子供は重症化しやすいといい、沖縄では、1997、98年など過去に3人の死者が出ている。

沖縄県警は、ビーチの管理側を立ち入り調査したと明かす

   沖縄県では、2022年は海洋危険生物による刺咬症105件のうち4割強に当たる44件がハブクラゲによる被害だったとし、23年も7月1日から8月31日までハブクラゲ注意報を発令していた。

   今回の事故について、県の衛生薬務課は8月17日、J-CASTニュースの取材に対し、警察側から情報提供を受けたと説明した。

   それによると、11日は名護市内のビーチで、午前10時ごろに7歳の男児、16時ごろに7歳の女児がハブクラゲに刺された。ビーチのクラゲネット内で刺されたのかなど詳細は分からないという。

   沖縄県警の名護署は17日、ビーチ管理がどうなっていたのかについて、管理側を立ち入り調査していることを取材に明らかにした。ただ、広報案件ではないため、具体的な内容については控えたいとした。

   ツイッターで訴えた女児の親族側は17日、取材に応じ、当時の状況を明かした。

「午後4時ごろに、女の子が海に入った瞬間、『痛い』と声を上げました。長い触手が左足に絡まっており、それを手ではがそうとして、両手両足が酷いことになっていました。ぐったりしていたので、助けを求めて、ホテルに宿泊していた医者が何度も蘇生を試みてくれました。それでも難しく、AED(自動体外式除細動器)を誰かが持ってきたときに、ようやく息を吹き返しました。結局、AEDは使いませんでしたが、ドクターヘリが到着するまで、発生から47分が経っていました」

   今回の事故をツイッターに投稿したのは、ハブクラゲの知識を持ってほしいと思ったことと、その症例が分かる小児専門の皮膚科医を教えてほしいと思ったからだとした。投稿による影響を考えて、ホテル名は伏せることにしたという。

ホテル「事故後に適切な駆除ができるまで、遊泳禁止にした」

   親族側は、ツイッターで訴えてから、病院の情報などたくさんのメッセージが届いたとも明かした。情報が十分に集まって目的を達成したと判断したため、今回の投稿を削除したとしている。

   名護市内のホテルをいくつか取材するなどした結果、今回のハブクラゲ事故が発生したリゾートホテルを突き止めた。

   このホテルの担当者は8月17日、取材に対し、ツイッター投稿や県警のお知らせなどで挙げられたビーチかどうかは明言しなかったものの、8月に入ってハブクラゲに刺された子供がいることを認めた。

「遊泳区域外は泳いでもらっていませんので、クラゲネット内で事故が起きたと思います。ネットの下からは侵入を防御できると思いますが、海は波がありますので、満潮時など潮位のタイミングで、波に浮かんでネットの上から入ってくる可能性はあるでしょう。事故があってからは、適切な駆除ができるまで、遊泳禁止にしています。禁止にした理由についても、ハブクラゲの発生を受けたことを掲示で説明しています。事故がありましたので、警察に届け出はしており、客専用ビーチの管理はきちんとやっています」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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