2024年 4月 28日 (日)

年末年始「のぞみ」全席指定席化、賛成84% 反対は料金より「すぐ乗れない」に懸念...アンケートで見えた新幹線ニーズ

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   2023年12月28日から24年1月4日にかけて、東海道・山陽新幹線「のぞみ」が全席指定で運行されることに、X(旧ツイッター)では混雑緩和への期待や割高になることへの不満など、賛否の声が寄せられた。

   J-CASTニュースが読者アンケートを実施したところ、84%が「賛成」と回答。このうち、全席指定化により「新幹線内の混雑の緩和」を望むという人が約半数を占めた。

  • 年末年始に全席指定で運行される「のぞみ」
    年末年始に全席指定で運行される「のぞみ」
  • JR東海公式サイト 「のぞみ」全席指定案内ページより
    JR東海公式サイト 「のぞみ」全席指定案内ページより
  • アンケート結果「年末年始の『のぞみ』指定席についてどう思いますか?」
    アンケート結果「年末年始の『のぞみ』指定席についてどう思いますか?」
  • アンケート結果「(賛成の方へ)全席指定により何を期待しますか?」
    アンケート結果「(賛成の方へ)全席指定により何を期待しますか?」
  • アンケート結果「(反対の方へ)全席指定化に反対する理由を教えてください」
    アンケート結果「(反対の方へ)全席指定化に反対する理由を教えてください」
  • 年末年始に全席指定で運行される「のぞみ」
  • JR東海公式サイト 「のぞみ」全席指定案内ページより
  • アンケート結果「年末年始の『のぞみ』指定席についてどう思いますか?」
  • アンケート結果「(賛成の方へ)全席指定により何を期待しますか?」
  • アンケート結果「(反対の方へ)全席指定化に反対する理由を教えてください」

「確実にピークシフトを促すという狙い」

   「のぞみ」はホームの混雑緩和などのため、この年末年始以降、ゴールデンウイーク、お盆、年末年始の3大ピークに全席指定で運行される。なお、停車駅の多い「ひかり」「こだま」などは通常通り自由席が設けられるという。さらに年末年始は、「のぞみ」に限らず新幹線などの指定席特急券の値段が通常より最大プラス400円に設定されている。

   これらの施策について、鉄道ジャーナリストの枝久保達也さんは12月9日のJ-CASTニュースの取材で、ピークシフトを促す狙いがあるとの見解を示していた。

「GW、お盆、年末年始の輸送ラッシュは、休日分散化が進まない日本特有の光景です。通勤電車もそうですが、ピーク日、時間に輸送が集中しすぎると、その期間で使うためだけの車両などを用意せねばならず、非常に非効率なので、JR各社は需要の分散を図るための弾力的な運賃制度の導入を求めています。

そこで従来、特急料金を『繁忙期』『通常期』『閑散期』に分けていたのを、2022年からGW・お盆・年末年始の特に混雑する日に限り『最繁忙期』として、自由席特急券との価格差を930円に設定しています。この状況で自由席があると、安く乗りたい人のインセンティブが逆に増すため、全席を指定席とし、(「『最繁忙期』以外の期間に)確実にピークシフトを促すという狙いがあるのだと思います」

全席指定化に賛成する人が約半数

   J-CASTニュースは12月9日に公開した記事「【読者アンケート】『のぞみ』から自由席消える年末年始 どう思う?」で年末年始ののぞみ全席指定についてどう思うかアンケートを募った。12月26日時点で931票が集まり、「賛成」が780人(84%)、「反対」が151人(16%)と、賛成が8割以上を占めた。

   賛成の人が全席指定化で望むことについては、「新幹線内の混雑の緩和」が49%、「座席トラブルなどの回避」が34%、「ホームで長時間並ばなくて済む」が14%。車内での混雑の緩和に期待するという意見が約半数だった。

   記事のコメント欄には、「のぞみ」以外やピーク時以外にも全席指定でよいとする意見も寄せられた。

「最繁盛期は混雑・座席トラブル防止・定時運転など対策のため、のぞみ号だけでなく、各駅停車タイプのこだま号・つばめ号を除く全列車(のぞみ・ひかり・みずほ・さくら)を全車指定席で運転したほうが良いと思います」
「年末年始以外も全席指定席で構わない」

「こだま」などの自由席のある新幹線が混雑することへの懸念も

   のぞみの全席指定化に反対する理由については、「思い立った時すぐに乗れないから」が64%、「料金が割高になるから」が16%、「その他」が20%だった。料金よりも、すぐに乗車できるかどうかを重視している人が多い結果となった。こんな意見も寄せられた。

「新幹線利用者は、時間余裕ある人ばかりではない。仕事での緊急対応(鉄道トラブルも同様、至急復旧要す場合)、親族、身内の事故や緊急介護や危篤の場合、すぐに乗車する必要あり。空席新幹線に予約時間合わせられる人ばかりではない。特に繁忙期は、影響大」

   なお、公式サイトによると、指定席特急券がなくても、新幹線定期券や自由席特急券を購入し、普通車のデッキ等に立席で乗車することは可能だ。

   「のぞみ」から「こだま」「ひかり」と自由席のある新幹線に人が流れ、そちらが混雑することを心配する声もあった。

「のぞみの自由席が無くなり次善の策でひかり号に流れてくる。ただでさえ1~2時間に1本しか停まらないひかり号が満杯でやって来る事になる。途中駅の人はさらに乗れなくなる」
「のぞみ全車指定席化はより混雑悪化を引き起こしより遅延が増すと予測します」

   「こだま」などの混雑状況について、枝久保氏は26日、取材に、ピークの29日午前中は「自由席がかなり混雑する可能性が高い」と見解を示した。

「直近の予約状況を見ると、ピークの29日はひかりも概ね満席です。ということは午前中の便は自由席がかなり混雑する可能性が高いでしょう。ただピーク(29日・30日)のピーク(午前中)こそ満席ですが、少し時間をずらすと空席がある列車もあり、指定席需要は概ね吸収できているようです」

   その上で、次のように懸念点を挙げた。

「問題は全席指定席化を知らない利用者がどれくらいいるのか。全席指定席化はCMなど打って告知はしていますが、メディアの多様化で届いていない層も多そうなので、初めての試みとなる今回は、やはり混乱はありそうです」
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