女性アイドルグループ数組が出演するイベントで、最前列に座れるチケットを持った香港出身という男性ファンが背後から押し倒され、馬乗りで殴られたとX上で被害を訴えている。このファンは最前列争いに巻き込まれたといい、顔にケガをして警察に被害届を出したことも明らかにした。香港メディアもこの騒ぎを取り上げているが、一体何があったのだろうか。「背後から押し倒され、馬乗りで顔を殴られケガをした」目元が出血してアザになっており、アゴに痛々しい傷が残っている。これらの写真は、香港出身という男性ファンが2024年4月21日にX上で投稿した。この日は、「つばきファクトリー」「FRUITSZIPPER」などの女性アイドルグループが出演するイベント「SACOFES.UNIVERSE」が東京都江東区内のコンサートホール「豊洲PIT」で行われた。アイドルの振付師として知られる槙田紗子(さこ)さん(30)が主催しているため、サコフェスと呼ばれている。投稿によると、男性ファンは、このイベントで、「高嶺のなでしこ」ファンとして、最前列も狙える整理番号1番目のチケットを持って入場した。最前列の中央席に向かおうとすると、背後から走って来た人がわざとぶつかり、倒れたところに別の人が馬乗りになって押さえ付けられ顔を殴られた。やっと立ち上がられるようになると、もう最前列は人で埋まっていたという。イベント会場で最前列を特定のファンが占拠する行為は、「最前管理」と呼ばれ、度々トラブルが起きている。今回も、暴力との関係は分からないが、10人ほどが順番を抜いて最前列に座っていたとの目撃情報もあった。男性ファンがスタッフにこの事態を訴えたところ、このスタッフが最前列の人たちに聞いて来て、「今座ってる方は最初から最後まで見ると言ってます。もう一回整理し直すのできないです」と告げたという。返金対応できるとしたが、そのまま会場内で鑑賞できるとも説明したという。この男性ファンは、警察に被害届を出し、イベントの鑑賞はあきらめたという。その後、千代田区内の病院で診察を受けたことも明らかにした。話し合いの場を設けたが、被害者は警察へ被害届を提出暴力被害を報告した最初の投稿は、7000件以上リポストされて拡散しており、香港の複数のメディアから取材を受けてウェブ版記事にもなる騒ぎになっている。この問題を受けて、サコフェスの公式Xは22日、「入場時に関するトラブルについてのご報告」などと題して、状況を報告した。それによると、イベントの制作会社から、開場のときに客同士のトラブルが発生したという報告を受けた。トラブルを解決するため、関係する客らと話し合いの場を設けたが、被害者は警察へ被害届を提出したため、警察に引き継いだという。その後、警察の指示の上で安全確認を行い、イベントを予定通り進行させたとした。「現在、制作会社・主催ともに警察からの調査に全面協力しております。より一層安全管理に努めてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします」としている。その後、主催者の槙田紗子さんらやイベントを制作・運営したチケット会社「ぴあ」の連名で、トラブルについての「お詫び」を出した。そこでは、警察への情報提供や協議をしており、捜査の結果次第ではしかるべき対応を取るなどとした。槙田さんとその所属事務所「AMIDUS.」の岡田喜則社長も、それぞれ「責任をとても感じています」「本件大変責任を感じております」などとX上でお詫びをした。サコフェスの運営会社ぴあは22日、取材に対し、次のように説明した。「現在、警察の捜査に全面的に協力させていただいている状況です。警察の捜査の関係上、弊社からお話しすることができません。ご理解いただければと存じます」一方、警視庁は23日、取材に対し、「個別の事案については、回答を差し控えさせていただきます」とコメントした。(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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