中国のスマホメーカーXiaomi(シャオミ)はフラッグシップモデル『Xiaomi15』シリーズの日本発売を2025年3月13日にアナウンス。「Xiaomi15Ultra」に搭載される「2億画素」対応の4.3倍望遠カメラなど、その性能はさっそくながら大きな話題を生み出している。その一方、Xiaomiはこんな製品も開発している――。スペイン・バルセロナでの新製品発表会で紹介されたのは、その名も『XiaomiElectricScooter5Max』。電動キックボードである。「なぜスマホメーカーが電動キックボードを?」と思われるかもしれないが、実はスマホと電動キックボードには大きな共通点がある。スマホと電動キックボードは意外と似ている?日本ではあまり知られていないかもしれないが、Xiaomiは電動モビリティーメーカーとしての実績も有している。スマホメーカーとは、言い換えれば、充電池製品内蔵機器メーカーである。大きさの違いはあれど、ようするに、丈夫で長持ちする電池を開発できる企業でなければ、どちらも作ることができない。また、昨今のモビリティーはスマホアプリとの接続を前提に設計されている。そのあたりは、やはりスマホメーカーの得意分野である。その上で、最近では電動キックボード向けのパワフルなモーターも開発されている。「XiaomiElectricScooter5Max」は最高時速25kmXiaomiElectricScooter5Maxは乗り物としても実用的なスペックを誇る。搭載しているモーターは、定格出力400W、最大出力1000Wのパワーを誇る。最高速度は時速25km。ただし標準モードでは時速20km、歩道走行用のウォーキングモードでは時速6kmとしている。最大走行距離は60km、最大登坂能力は22%。ちょっとした坂道でも難なく走れそうだ。前後に油圧式のデュアルサスペンションを装備し、悪路走行時でも快適な乗り心地を実現するという。このスペックは、日本で言うところの一般原付に相当するものと考えていいだろう。実際、XiaomiElectricScooter5Maxのモーター出力と最高速度は日本では一般原付に振り分けられる。日本では「一般原付」になるか警視庁公式サイトの「特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について」というページにはこう説明がある。特定小型原動機付自転車とは次の基準を全て満たすものをいいます。・車体の大きさは、長さ190センチメートル以下、幅60センチメートル以下であること・原動機として、定格出力が0.60キロワット以下の電動機を用いること・時速20キロメートルを超える速度を出すことができないこと・走行中に最高速度の設定を変更することができないこと・オートマチック・トランスミッション(AT)機構がとられていること・最高速度表示灯が備えられていることこれらに加え、・道路運送車両法上の保安基準に適合していること・自動車損害賠償責任保険(共済)の契約をしていること・標識(ナンバープレート)を取り付けていることが必要です。(警視庁公式サイト「特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について」より)これらを踏まえると、XiaomiElectricScooter5Maxの定格出力は特定小型原付の枠に収まりそうだが、最高速度は超過している。現時点では日本展開は不明だが、このままの状態で日本へ輸入販売するとしたら、区分としては一般原付になりそうだ。また、それ以外にも日本での公道走行には数々の保安部品を装備しなければならない。Xiaomiが日本で電動キックボードの販売を行うとしたら、国内の法規制を把握している優秀なインポーターが必要不可欠になるだろう。(澤田真一)
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