2025年4月21日、日本のテクノロジー界隈ではちょっとした「事件」が発生した。DMM動画プレイヤーアプリのiOS版が、配信停止になったのだ。DMM動画プレイヤーは「FANZA」の成人向け動画を視聴するためのアプリという色合いが少なくなかった。だが、動画のダウンロード機能もあるため、プレイヤーアプリとして非常に優秀だった。そんなDMM動画プレイヤーが、急遽、新規ダウンロードに対応しなくなったのだ。配信停止の理由は「諸事情により」FANZAがヘルプセンターで以下の声明を公開した。この度、諸事情によりDMM動画プレイヤーアプリのAppStoreからの配信を停止いたしました。現在インストール済みのアプリにつきましては、インストールされている端末でのみ引き続きご利用いただけます。しかしながら、アンインストールされますと、二度と再インストールはできなくなりますので、ご注意ください。現在、新しい視聴アプリの提供を検討しております。DMM動画プレイヤーアプリをお持ちでないお客様は、引き続きWebにてご視聴ください。※Webでのご視聴では、ダウンロード再生には対応しておりません。お客様にはご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。(iPhone,iPadでご利用の方へお知らせ-FANZAヘルプセンター)配信停止の理由を「諸事情」としている点がさまざまな憶測を生むかもしれないが、この決定はユーザーにとっては「突然」だったことは間違いない。現状、iPhone及びiPadでDMM動画プレイヤーを開くと、「緊急のお知らせ」という通知が出てくる。すでにダウンロードされているアプリの利用に影響はないが、もしもそれをアンインストールして再びダウンロードするとしたら、iOSつまりApple製品ではそれが不可能になってしまっているのだ。一方で、Android向けのDMM動画プレイヤーは引き続き配信されている。また、購入もしくはレンタルしたFANZAの動画は発表にもある通り、Webを通じて視聴することが可能である。新しい「FANZAアプリ」を検討FANZAは発表の中で「新しい視聴アプリの提供を検討」すると説明している。「検討」ということは現時点では新しいアプリを開発していない......ということだろうか。「どうしてもスマホアプリでFANZAの動画を視聴したい!」というiPhoneユーザーは、手頃なAndroid機種を探して、それをサブ機にしたほうが手っ取り早いだろう。DMM動画プレイヤーは洗練されたアプリだった。上述の通り、このアプリには動画のダウンロード機能が備わっている。これを使えばオフライン環境下でも動画を視聴することができ、また、海外旅行先でもふだんと変わらず動画を楽しめる。FANZAは国によってはアクセス自体をブロックされている。筆者の確認したところでは、たとえばインドネシアがそれに該当する。同国の情報通信省が行うブロックを避けてDMM動画プレイヤーを利用するなら、手段は2つ。「VPNを利用する」か「予め日本で動画をダウンロードしておく」かである。このアプリにそうした使い方があるのも事実だ。FANZAは今後、DMM動画プレイヤーの実績を生かし、より高機能のアプリの開発に専念するのではないか。期待したい。(澤田真一)
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