2024年夏にスーパーの店頭からコメが消え、令和の米騒動と騒がれた。農林水産省は2025年3月から政府備蓄米の放出を始めたが、コメの価格は下がるどころか今も高止まりしている。
コメ価格の鎮静化には時間かかる
農水省によると、2025年3月に落札された備蓄米のうち、小売店や外食事業者への流通量はわずか4192トン(4月13日時点)で、放出量の1.97%にとどまっていた。3月に落札された計2回の放出量は21万2000トンだったが、備蓄米を精米工場で処理するため、小売店などに届くまで時間を要しているという。
政府備蓄米の放出が3月中旬に始まり約1か月半が経過したが、思うように流通しないのは、備蓄米であることを表示するパッケージ用の袋や輸送用のトラックの準備に時間がかかっていることも理由という。
いずれにせよ、農水省や農協など集荷業者の対応は遅れている。農水省は7月ごろまで毎月、備蓄米の放出を行い、コメの価格の適正化を図る方針だ。しかし、コメをめぐる農水省の対応はこれまで後手に回っている。今後も備蓄米が流通し、価格が鎮静化するまでには時間がかかりそうだ。