「パンより安いのが当たり前」が崩れた
食パンの材料となる小麦は大半が輸入なのに対して、コメは国内で唯一、完全自給が可能な穀物で、パンよりも安いのが当たり前だった。このため農水省もコメを保護してきたのだが、それが逆転した現状では、消費者が積極的にコメを選ぶ理由は見つからない。
健康のためには、そもそもコメやパンなどの糖質を過剰に摂取する必要はないとの見方もある。そう考えれば、高値が続くコメを無理して買わなくてもよいという理屈も成り立つ。筆者は昨夏からの米騒動は、消費者よりもコメ農家を保護する農水省の失策が原因と考えている。備蓄米の放出が滞る中、様々な要因が重なり、日本人のコメ離れは確実に続くだろう。
(ジャーナリスト 岩城諒)