歌舞伎町に異変...「スカウトマン」激減のワケ 紹介料目当てで「夜職女子」に群がるが...その行く末は?

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   歌舞伎町や六本木など、都会を中心に動くスカウトマンが減りつつある。最近では大規模スカウトグループも解散した。スカウトという仕事に見切りをつけたという話も、私はいくつか耳にしている。

   女性が働いたお金を吸い上げるだけの悪質スカウトマンは問題だが、店舗と働き手の双方にメリットをもたらす優秀な人材が消えると、夜の世界は困り果ててしまう。

   歓楽街のあちこちを駆け回ったスカウトマンたちは、どうしているのだろうか。のぞいてみると、そこには蜂の巣をつつかれたような現状が待ち受けるのだった。

  • スカウトマンたちの事情とは(写真はイメージ)
    スカウトマンたちの事情とは(写真はイメージ)
  • 筆者のたかなし亜妖さん
    筆者のたかなし亜妖さん
  • スカウトマンたちの事情とは(写真はイメージ)
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食べていけるスカウトマンと、職を失う人の違い

   現在、仕事を継続しやすいのは風俗関連よりも、飲み屋を専門に取り扱うスカウトマン。摘発の関係でスカウト経由の紹介をやめた風俗店が多く、特殊浴場は代表的な例である。有名歓楽街は街全体が紹介を受け付けないスタイルへと変わり、今は女性個人の応募でないと面接にさえ対応してもらえないそうだ。

   スカウト会社との連携を断った店が続出したため、特殊浴場と「出稼ぎ」をメインに扱っていた人は苦戦を強いられている。この2つは、スカウトバックという名の跳ね返りが大きい。このことから、好んで紹介していたスカウトマンが多かった。各方面からブロックされると、収入の面で相当な痛手を負うのである。

   一方で、飲み屋に関しては特に変化がない。こちらのジャンルは近頃、キャストのルックスレベルが大幅に上がっており、いわゆる「高級店」と呼ばれる店は採用において目利きできる人間の力を借りたいのだ。実際、個人の応募よりもスカウトマンに頼りきりのところが多いため、「ランクの高い」女性を紹介できる人は今までと変わらない生活を送っている。

   紹介に関する急な締め付けは人々があまり想像していなかったことなので、「飲み屋を選んだ人は正しい。別ジャンルに手を出した人は浅はか」なんて話ではない。自分たちの努力だけで防げるものではないため、大きく予想を外した事態だからこそダメージが大きいのである。

   誰もがすでに想像可能だった未来なら、どのスカウトマンも早々に路線変更しているはずだろう。

スカウトマンのセカンドキャリアは

   「紹介だけで食べていけなくなったスカウトマンは人生終わり」。そう思えるものの、実は、意外とそうでもないらしい。たしかに、これまで適当にやっていた人は当然ながら職に困るけれど、キャリアと知識、人脈があれば次の道を見つけやすいからだ。人脈が作りやすく、それを活かせるのは夜職の特権と言えるだろう。

   セカンドキャリアとして選ばれる傾向が強いのは、店の経営だ。開業しやすいメンズエステやコンカフェに着手する元スカウトマンは非常に多い。また、仲介業を継続したい人は不動産、あるいはスカウトグループから抜けてフリーのスカウトへ転身するなどして、新しい道を紡いでいく。なかにはSNSのコンサルティングに転身し、稼ぐ人もいるようだ。

   ただ、だいたいはスカウト業をキッパリやめず、メインの仕事を変えながら副業として紹介を続けるケースが多い。

   こう考えると、セカンドキャリアは想像以上に選択肢があるけれど、成功するのはあくまで一部である。適当に店を紹介し、バックを受け取りながらふらふらと毎日過ごしていた場合は、ほぼ確実に「詰む」。困り果てた末に歓楽街を泣く泣く去っていくか、あやしいことに手を染めるなどして転落する人間は、悲しいかな一定数存在するのだ。

   セカンドキャリアを形成するにはそれ相応の努力が必要である。目の前の仕事を着実にこなす真面目さがなければ、次の橋には渡れない。結局のところ、根本は昼職も夜職も変わらないのだろう。

「専業」はかなり厳しい時代か

   スカウトマンという職業は残り続けるものの、規模は徐々に狭まっている。

   今後は店舗との個人契約や、前述のような本業×副業といった形で、スカウト業を継続する在り方に変わっていくことが予想される。おそらく、このままでは「専業」がかなり厳しい。

   スカウトマンだけではなく、専業が難しいのは他の夜職も同じだ。リスクの高い商売のみで生きていくよりも他の軸を作り、上手にパワーを分散させながらお金を稼ぐ方が、今は大きなミスを回避できる方法なのかもしれない。



【プロフィール】
たかなし亜妖/2016年にセクシー女優デビュー、2018年半ばに引退しゲーム会社に転職。シナリオライターとして文章のイロハを学び、のちにフリーライターとして独立する。現在は業界の裏側や夜職の実態、漫画レビューなど幅広いジャンルのコラムを執筆中。

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