財務省は小泉進次郎氏支援に走った?
むしろ小泉純一郎元首相が郵政民営化に熱心なあまり、自分の任期中は消費税増税しないと言い切り、結果として財務省を大いに落胆させた。
財務省はこの轍を踏まないように、小泉進次郎氏に消費税増税のレクチャーをこれまで行ってきたはずだ。今回、いきなり小泉進次郎農水相が「随意契約」という会計用語を使ったことからわかるように、満を持して、財務省は小泉進次郎農水相をサポートしていると筆者は邪推している。
参院選後のポスト石破で、財務省は高市早苗氏が麻生太郎元財務相を巻き込み着々と地歩を築いていることを警戒し、小泉進次郎氏支援に走ったとみるのが自然だろう。森山幹事長が今回の人事に反対しなかったのも、財務省の関与を感じさせる。
今回の「小泉劇場」の後には、農協改革でなく、「増税」が待っているとすれば、国民は浮かれてはいけない。なにしろマスコミは新聞軽減税率という毒饅頭を財務省から食らっているからだ。
++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。