立憲民主党の野田佳彦代表は2025年6月9日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で記者会見した。小泉進次郎農水相が取り組んでいる米価対策については「大変意欲的」「ぜひ成功してほしい」と一定のエールを送るも、高騰の原因が分析できていないことも指摘し、このままでは「いい処方箋を書けないのではないか」と注文をつけた。7月に迫った参院選への取り組みについても説明。政権交代へのプロセスだと位置づけており、次期衆院選で政権交代できなければ、代表を辞任する考えも明言した。「分析なしで動き出したんだなあ...ということですね」小泉氏の取り組みについて問われた野田氏は「小泉大臣が大変意欲的であるということは間違いないと思う」「米価を下げていくための努力は何としても必要なこと。ぜひ成功してほしいと思う」とする一方で、「ただ、少し前のめりすぎている感じがあると思う」とも指摘した。その理由として挙げたのが6月5日に開いた関係閣僚会議。石破茂首相が小泉氏に対して、価格高騰の原因を検証して対策を講じるように指示している。この様子に野田氏は「分析なしで動き出したんだなあ...ということですね」。適切な分析がなければ対策も奏功しないと指摘した。「おそらく米不足が理由ではなくて、流通の問題とかが本来一番大きな問題ではないかと思う。あるいは、政府の備蓄米はしっかり管理しているけど、民間の在庫までちゃんと把握していないことなども、大きな問題だと思う。そこはしっかりと分析をしていかないと、いい処方箋を書けないのではないか」野田氏は「コメの価格全体が、備蓄米だけではなくて、銘柄米やブランド米を含めて、全体的に値が下がっていくかどうかを注目していきたい」とも指摘。さらに、消費者に加えて、生産者の離農対策も必要だとして、参院選では「農地に着目した直接支払制度」などを政策提言していきたい、とした。次期衆院選で政権交代できなければ「当然代表を辞める」野田氏は、議席を伸ばした24年10月の衆院選が「ホップ」、25年7月の参院選が「ステップ」、次期衆院選で政権交代する「ジャンプ」の3段階論を展開している。参院選の目標は「改選議席数で与党の過半数割れを実現する。その中で野党の議席数を最大化する中で、立憲民主党が一番その中で議席を取っていく」とした。これを受ける形で、進退を問う質問も出た。「ホップ・ステップ・ジャンプ」論は、かつて日本維新の会が掲げ、失敗に終わっている。この点を踏まえた、次のような質問だ。「もし『ホップ・ステップ・ジャンプ』で過半数を取ることに成功しなかった場合には、まず立憲民主党としては、それに代わる『Bプラン』というようなものがあるのか。そしてその責任を取って代表を辞任するようなことはあるのか」野田氏は次のように応じ、「ジャンプ」の次期衆院選の段階で政権交代できなければ代表を辞任する考えを明らかにした。「『ホップ・ステップ・ジャンプ』で政権交代を目指す、実現するために、去年の秋の党の代表選挙に立候補した。実現てきなかったら、当然代表を辞めるということになる」(J-CASTニュース編集委員兼副編集長工藤博司)
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