「店側は、安全だとする認識が間違っていた」
それでは、神戸市内のラーメン店は、トレンド入りしたように、こうしたコツに基づかない「低温調理」が行われていたのだろうか。
この点について、同市の食品衛生課では6月17日、J-CASTニュースの取材に対し、「企業情報に関わりますので、回答は控えさせて下さい」としたうえで、一般論として、次のような可能性を挙げた。
「食中毒が発生する原因としては、加熱不足の低温調理や表面を焼いただけなど、お店のやり方が間違っていることもあると思います。牛肉のレアと見た目が一緒のため、火が通っていると勘違いすることもあるでしょう。鶏肉は、見た目が生だと危険だという認識がないお店もあるため、食中毒が起きています。鶏刺し、鶏たたきなどが安全だと、間違った認識があることもあります」
もっとも、鶏肉は見た目が焼けていても、中心温度を63度などにして加熱していない場合もあり、調理工程の安全性が大事になるとも指摘した。
今回のラーメン店については、患者の便を複数採取した結果、カンピロバクターが検出され、それに基づく食中毒だと断定したと明らかにした。鶏チャーシューから検出されていないため断定はしていないものの、その製造工程や見た目の写真から原因食材だと推定していることも明かした。
「実物を見たり検査したりしていないので断定はしていませんが、改めて確認して、鶏チャーシューが加熱不足だと推定されました。店としては、適切に調理していると認識していたようですが、安全だとする認識が間違っていたということです。プロだからといって、自分だけでは判断せず、専門家に聞いてやってほしいと思っています」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)