国民民主党公認で参院選・東京選挙区に立候補している元NHKアナウンサー・牛田茉友氏が2025年7月7日、街頭演説などの日程の事前公表を当面の間中止するとXで発表した。「候補者本人を乗せた送迎車が長時間にわたり車両に追尾される事案が発生しました」牛田氏は、09年にNHKに入局しアナウンサーとして活動。25年4月にNHKを退局し、同月23日に東京選挙区から国民民主党公認で立候補することを発表していた。各陣営は、街頭演説などの日程をXで公表しているが、牛田氏が7日に公開した陣営の書面では「昨日(7月6日)、街頭演説終了後、候補者本人を乗せた送迎車が長時間にわたり車両に追尾される事案が発生しました」という。また、「これまでにも候補者が身の危険を感じる事案が複数回あった」として、「候補者の安全に配慮するため、日程の事前公表を当面の間取りやめることとしました(党本部発表分を除く)」と説明した。「有権者の皆様ならびに報道関係者にはご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます」と理解を求めた。欠員の補充を含む7議席を争う東京選挙区には、32人が立候補している。7日14時時点では、現職議員らをはじめ多くの候補者が街頭演説の予定を公表しており、同様の対応をとる立候補者は確認されていない。同じく国民民主の渋谷区議会議員、桒水流弓紀子(くわずる・ゆきこ)氏は、牛田氏の投稿を引用し「私も、街頭演説を告知した途端に会場に不審者がきて脅され、妨害され、日程の告知ができなくなった経験があります」と告白。「だからこそ──牛田さんが今、どんな目にあっているのか、他人事じゃない。正々堂々と声を上げる人に対して、陰でこそこそ嫌がらせするなんて、どれだけ卑怯なんだろう。こんなやり方に、負けないで」とエールを送った。中国出身の石平氏も「街宣の場所やスケジュールを一切予告しない」日本維新の会の公認を受け、参院選に比例代表で立候補している、中国出身で評論家の石平(せき・へい)氏は、Xで自身をめぐる嫌がらせなどの危険に関する投稿に触れ、「だからこそ、私は街宣の場所やスケジュールを一切予告しないのです」としている。全国の街宣情報をまとめたプラットフォーム「ガイセンNOW」を運営する市村優成さんは、牛田氏の投稿を引用し「オープンにされている情報のみを収集しているので問題はないとしていましたが,近年の候補者への迷惑行為や,選挙妨害などを見ると改めて対応を考えなくてはいけないと感じています」と困惑を吐露。「街頭演説は,有権者が1票を投じる上で直接候補者から話を聴ける,大変重要な機会です.候補者に直接会って,見て,聴いて,話してこそ,わかることもたくさんあります.有権者の大切な判断の機会をなくしてしまうという意味で,こういった妨害をする人は民主主義の敵だとも言えると思います」と憤りをつづっている。
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