日本維新の会・池下卓衆院議員(50)の元公設秘書が秘書給与を不正に受け取っていたと報じた読売新聞が、2025年8月28日付の朝刊の一面で「誤報だった」と謝罪したが、誤った記事を掲載された池下氏は、「要望したレベルの記事とはかけ離れています」とXで怒りを露わにしている。
読売新聞はわずか270文字で謝罪...取り違えた原因は不明
読売新聞は27日付朝刊一面で、池下氏が採用していた公設秘書2人について、勤務実態がないにもかかわらず国から秘書給与を不正受給していた疑いがあるとして、東京地検特捜部が捜査していると報じた。
記事を受け、池下氏は「事実無根」だと抗議。その後、読売新聞は28日付朝刊で、「実際に強制捜査の対象となったのは同党の石井章参院議員でした。取材の過程で、池下議員と石井議員を取り違えてしまいました」と説明。「あってはならない重大な誤報だった」と謝罪した。
この謝罪・訂正記事を受け、池下氏は28日午前にXを更新し、「要望したレベルの記事とはかけ離れています。他のメディアは多く取り上げられていますが、当事者の大メディアとしては如何なものか」と激怒。「推移を見つつ、法的措置に向け検討します」と方針を示した上で、「ペンは人を殺すかもしれないということを理解していない」と批判した。
読売新聞の「重大な誤報」を他の新聞はどう報じているのか。
朝日新聞は28日付の朝刊で、今回の誤報の概要を説明。読売新聞グループ本社広報部に取材し、誤報を読売新聞オンラインで配信・削除した時間を記載。何が誤報だったかを説明する同広報部のコメントのほか、池下氏が報道陣に語った受け止めも掲載。約480字で報じている。
毎日新聞は同日付の朝刊で、読売新聞グループ本社広報部に取材。今回の誤報の概要や同広報部のコメントのほか、池下氏が報道陣に「法的措置も考えながら、厳正に対応させていただく」と語った内容が含まれていた。約400字で報じている。
一方、読売新聞は前述のように、「取材の過程で、池下議員と石井議員を取り違えてしまいました」と説明し、「あってはならない重大な誤報だった」と謝罪した。27日付の誤報は約970字だったが、この記事は約270字。また、池下氏と石井氏を取り違えた原因も不明だ。
SNS上では、「とり敢えず誤っとけば良い様な対応ですね」「形だけ謝罪」「昨日の誤報を打ち消すだけの記事では全くない」などと批判する声も上がっている。
池下氏は28日午後にXで、「先ほど読売テレビさんから放送について真摯な謝罪を受けました」とも報告。「『誤報』による人権侵害をいかに再発させないか」が問題だとし、次のように読売新聞を批判している。
「訂正記事等を小さく済ますということは、今後悪い事例を残すことになる。検証とガバナンスの整備。その前に読売新聞は真摯な謝罪が必要 #読売新聞誤報」