VTuber事務所「ホロライブプロダクション」を運営するカバーが2025年11月27日、バーチャル空間プロジェクト「ホロアース」で実施予定だったイベント企画を延期すると発表した。「制作過程において特定の人物を意図した事実はございません」「ホロアース」は、「アニメルックの世界観に没入できるメタバース」として展開されている仮想空間サービスだ。同サービスをめぐっては、10月23日のアップデートで追加されたNPC「コウゾーさん」のスクリーンショットがSNS上で拡散。立ち姿や衣類、セリフなどから、11人が死傷した池袋暴走事故で車を運転していた飯塚幸三元受刑者=24年に93歳で死亡=を想起させるものではないかとの指摘が相次ぎ、波紋を広げていた。ホロアース公式Xは11月25日、NPCについて「実在の人物を想起させる表現が含まれていることが確認されました」とした上で、削除したことを報告。実装の経緯については「当該キャラクターは、アバター表現の多様性を目的として、既存のファッションアイテムを用いて制作したものであり、制作過程において特定の人物を意図した事実はございません」「公開前の確認体制において不十分な点があり、外見・名称の設定において、結果として実在の方と類似する点が生じておりました」と釈明していた。「もう少し形が違えば受け手の印象も大分違ったと思っています」こうした中、ホロアース公式Xは27日、「11月28日に実施を予定しておりました『ねぽらぼ重大告知』ならびに12月2日に実施を予定しておりました『holoX降臨パーティー』つきまして、協議の上延期とさせていただきます」(原文ママ)と発表した。「ねぽらぼ重大告知」は「ホロライブ5期生『ねぽらぼ』(桃鈴ねね/尾丸ポルカ/雪花ラミィ/獅白ぼたん)」がホロアースに登場し、「特別な発表をお届けする予定」だった。「holoX降臨パーティー」はホロライブ6期生「秘密結社holoX」のメンバーが同サービスに「降臨」する予定とされていた。延期の具体的な理由については明らかにしていないものの、NPCをめぐる問題の影響だと見るユーザーが多いようだ。告知投稿には、「いつもはホロライブ運営やホロメンを応援してますが、今回の件は非常に残念です。あれを偶然と言い切るのは流石に無理があります。社員の再教育をお願いします」「昔からホロライブのファンですが、今回の延期は妥当だと思っています。初手のアナウンス含め、自ら墓穴を掘ったのを感じており、企業としてのニュースリリース、関係者からのポスト、そのコメント内容の添削といった、もう少し形が違えば受け手の印象も大分違ったと思っています」など、体制の見直しやコンプライアンス強化を求める声が寄せられている。
記事に戻る