中国・上海での公演中止を受けて、歌手の浜崎あゆみさん(47)が無観客の状態でステージに立ったとSNS上で写真を投稿し、中国のファンへのメッセージだと反響を呼んだ。その後、中国メディアが、1人公演は誤りでリハーサルの動画投稿が曲解されたと関係者が謝罪したと報じた。とはいえ、浜崎さんは、自ら写真投稿しており、中止要請の後ステージに立ったと説明している。なぜこんな行き違いが生じているのだろうか。「1人公演はウソ」と関係者が謝罪したとしたが...高市早苗首相の台湾有事発言後、中国政府は日本への渡航自粛を要請し、中国でも日本人アーティストの公演が次々に中止や延期になっている。浜崎さんは、2025年11月29日に上海公演を予定していたが、前日28日に公演中止の要請を受けたとしてインスタグラムで同日中に中止を発表した。報道によると、公演を運営する中国企業も同日、「不可抗力」があったと中国のSNS「微博(ウェイボー、Weibo)」上で理由を説明した。浜崎さんは公演当日の29日、「私達は昨日の中止要請の後、無観客の状態で一曲目からアンコールまで行ってから会場を後にしました」とインスタ上で明かし、「会えるはずだった一万四千人のTAの皆さんに向けて、演者・スタッフ全員で全身全霊で本番と寸分変わらぬ想いをもちステージをまっとうさせて頂きました」とファンに報告した。30日には、そのときの写真を数点投稿している。ところが、12月1日になって、中国メディアが、浜崎さんの1人公演はウソであり、関係者がリハーサルの動画などを勝手に投稿して偽情報に使われてしまったと謝罪したと報じ、現地のポータルサイトで拡散された。この報道では、公演の撮影クルーに加わったという人物が、Weibo上で謝罪文を出したとして、その投稿画像をアップした。この人物は、28日夕に行われたリハーサル中の動画を密かに撮影し、TikTok上に投稿した。1人公演だとウソを流し、メディアに転載されて偽情報が流れたと主張している。こうした行為は、運営上の規則に違反しており、公演と主催者双方に多大な迷惑をかけたと謝罪した。中止要請後にステージ、実質的な1人公演かこうした報道を受け、中国メディアのコメント欄では、謝罪した人物などに批判も相次いだ。この人物に対しては、「裏切り者がついに姿を現した」「親日派、気持ち悪い」「相応の処罰を受けるべき」などと厳しい声が寄せられている。公演する日本側へも批判が向けられており、「日本人はみんな嘘つき」などと書き込まれていた。一方、浜崎さんファンとみられる投稿もあり、「ニュースを捏造したとどうやって証明できるのでしょうか?」「歌手はすでにインスタグラムに写真全体を投稿しています」「それで終わり?もう通ってもいいですか?」との反論も出ていた。無観客のステージに立ったことについて、浜崎さんは、11月30日のインスタ投稿で、本番同様に行うリハーサルを指す「#ランスルー」と説明している。29日の公演当日に行ったわけではなさそうだが、リハーサルだったとしても、中止要請後にステージに立ったとしている。実質的な1人公演だったとしてもおかしくはないようだ。日本のネット上では、無観客公演をなぜ許したのかといった批判を避けるために中国当局が対応したのではないかとして、「火消しに必死なんだろう」などの推測が出ている。浜崎さんに対しては、「ビジネスは止められても、歌は誰にも止められない」「誰もあゆを疑わないと思います」「音楽史に残る行動だ」とエールが相次いでいた。(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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