「高市発言」余波止まらず ゆず、JO1...日本人アーティストの中国公演「中止ラッシュ」深刻化

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   高市早苗首相の台湾有事に関する発言の影響により、日本人アーティストの中国公演が次々と中止や延期になっている。なぜ日本人アーティストが中国公演を断念せざるを得なくなっているのだろうか。

  • 日本人アーティストの中国公演の中止相次ぐ
    日本人アーティストの中国公演の中止相次ぐ
  • 高市早苗首相(2025年10月撮影)
    高市早苗首相(2025年10月撮影)
  • 日本人アーティストの中国公演の中止相次ぐ
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  • 高市早苗首相(2025年10月撮影)
  • 日本人アーティストの中国公演の中止相次ぐ

大槻マキさんの公演中、突然の中止

   フォークデュオ「ゆず」は11月22日、アジアツアー「YUZU ASIA TOUR 2025 GET BACK」の中止を発表している。中止となったのは、12月6日の香港公演、同6日の上海公演、同8日の台北公演。ゆずとしては実に6年ぶりとなるアジアツアーだったが、悔しい決断を下すこととなった。

   男性11人グループ「JO1」も11月17日、同28日に広州で開催予定だったファンイベントの中止を発表。中国語圏最大のソーシャルメディア・Weibo(微博)で中止が伝えられ、「長い間期待して準備してくださったJAM(JO1のファンネーム)の皆さまにお詫び申し上げます」と謝罪した。

   さらに、上海で11月28日に開幕した「バンダイナムコフェスティバル2025」で、アニメ『ONE PIECE(ワンピース)』の主題歌などで知られる歌手・大槻マキさんの公演が突然中止される事態も発生した。

   大槻さんの歌唱中にいきなり音楽が止まり、ステージ上の照明は暗転する。場内が明るくなると、ステージ上にスタッフ2人が姿を見せ、動揺する大槻さんに駆け寄って何かを説明し、大槻さんと一緒に袖にはけていく。観客がざわつく中、中国語で公演中止を告げるアナウンスがされた。

   その後、同フェスを主催するバンダイナムコの公式Xでは「諸般の事情により、公演を中止とさせていただくこととなりました」と、29日・30日に予定していたステージの中止を発表。ももいろクローバーZ、リーガルリリー、ASH DA HEROなど人気アーティストの出演が予定されていたが、ステージに立つことはなかった。

橋下徹「民間が損を被ることはあってはならない」

   中国公演の中止に対する辛い胸中を口にするアーティストもいる。1年間で8回も中国公演を行うなど、中国で絶大な人気を集めるアイドルグループ「MAGMAZ」は11月23日に上海公演を実施したものの、12月に予定していた広州公演は中止となった。

   「MAGMAZ」のメンバー・ハルカキルサージさんは12月3日放送の『THE TIME,』(TBS系)にVTR出演。番組の取材に対し、「中国公演、愛してくれている方もめちゃくちゃ多いので、なんとも言えへん、悔しいっていうか。どうもできへんみたいな」とコメントしていた。

   多くの日本人アーティストが中国公演を中止せざるを得ない状況に、弁護士の橋下徹さんは11月30日に自身のXで、「中国でビジネスするにはリスクがある。それを分かった上でビジネスをしなければならないが、政治家の戦略なきポロっと発言によって民間が損を被ることはあってはならない」と批判した。

   橋下さんをはじめ、批判の声を向けられていることに危機感を覚えたのか、高市首相は4日、自身のXに「日本の才能あふれるアーティストの皆様が、より多くの国でライブや交流を実現できるよう、政府は海外展開支援を強化します。アジア、欧州、北米など多様な市場で、日本の音楽が響く未来を創ります」と投稿。

   これには「日本の才能あるアーティストやクリエーターが、世界の多様な市場で活躍できるよう、政府の後押しが強化されるのは心強いですね」「いよいよ日本のカルチャーが本気で世界進出ですね!」と賛同が寄せられる一方、「まず中国政府と、今回の件で不利益を被ったアーティスト達に謝罪して下さい」「日本の才能あふれるアーティストの皆様に莫大な損害を与えておいて、何寝言言ってんの?」「この人、自分が日本の総理大臣史上最もアーティストに直接的損害をもたらした人物だと自覚してないのかも知れない」と手厳しい声も少なくなかった。

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