夫婦の姓についての問題が熱を帯びてきそうな気配だ。政府・与党が旧姓使用の法制化に向けて検討を始めたが、2025年12月7日のバラエティ番組「サンデージャポン」(TBS系)は「旧姓使用」の法制化は本当に便利かをテーマにとりあげたが、意見は真っ二つ。
結婚発表の松村沙友理さんは「うれしい」
選択的夫婦別姓は、結婚後も夫婦同意のうえ別々の姓のままでいられるが、政府・与党が進めようとしている旧姓使用の拡大は、結婚後、夫婦同姓を維持したうえで、結婚前の姓(旧姓)を通称として使えるようにするというもの。
番組は、現在もパスポートや免許証などに旧姓の併記はできるものの、「旧姓が記載された戸籍謄本を取り寄せたりする手間がかかる」「クレジットカードなど旧姓が使えない場合がある」など生活上の問題があることを指摘、今回の動きはそのような不便さの解消につながるとした。
数日前に結婚を公表した元乃木坂46のモデル松村沙友理さんは「(手続きの煩雑さが解消されるのは)うれしいと思う。現在(書類等を)変えている途中」と話し、手続きの大変さを訴えた。
2児の母で"リアル推しの子"藤咲凪さんは「(手続きが)すごく便利になって前向きなこととは思う。(一方、夫婦別姓が認められれば)子どもが2つの名前を抱えることで混乱することもあるかなと思う」と話し、出演者の間でも姓の扱いについてはさまざまな意見があることをうかがわせた。
現状は、女性に過度のコストがかかっているが・・・
The HEADLINE編集長の石田健さんは「選択的夫婦別姓が持ち上がった後にその方法じゃない形ということで、後から旧姓使用の話が出てきた。一般的に姓を変えるのが女性であることを考えると、女性に過度にコストがのしかかっているのが実態。旧姓に直すだけでは救えない問題が多々あるので、本丸である選択的夫婦別姓を早く進めるのが最適解であると思う」と話した。
MCの田中裕二さんが「この旧姓使用の法制化を進めることで選択的夫婦別姓の導入を遅らせたいという(政府与党側の)意図が見え隠れするという声もありますが」とTBS政治部デスクの室井祐作さんに聞くと、室井さんは「高市首相の本音としてはそうだと思います。旧姓の通称使用拡大で確かに不便さが解消されるが、同姓が前提なので夫婦の別姓がいいという望みをかなえるものではない」と話した。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)