クマがスキー場で猛ダッシュ...衝撃動画拡散で入場者減 白馬47は対策に追われる「毎日足跡がないか確認」

   長野県白馬村内にある人気スキー場「HAKUBA47ウインタースポーツパーク」で、クマに追いかけられたとする動画がX上などで投稿されたときは、「こんなところでも」と衝撃が走った。

   その後、スキー場では、猟友会によるパトロールを強化するなど対策に追われている。「冬眠しないクマ」が話題になっているが、スキー場の運営にも影響が出ているのだろうか。

  • スキー場が公式サイトで注意喚起
    スキー場が公式サイトで注意喚起
  • 黒木誠さんのX投稿から
    黒木誠さんのX投稿から
  • スキー場が公式サイトで注意喚起
  • 黒木誠さんのX投稿から

「あ~、来た!」。男性は、思わず声を上げ...

   スノースケートは、板に足を固定せずスケートボードのように滑るスポーツだ。男性が板に飛び乗り、さっそうと斜面を滑っていると、ゲレンデの左方向から、いきなりクマが走って近づいて来た。

   クマは、大人の体格で、丸々としている。滑走中の男性の後ろに回ると、猛ダッシュで男性の後を追いかけて来た。

   「あ~、来た!」。男性は、思わず声を上げ、逃げるように滑る。クマは、そのスピードに追い付けず、その後は左後ろへ逸れ、斜面を必死で上り始めた。男性は、滑り終えると、「ヤバッ」と天を仰ぎ、「追い駆けられました」と溜め息をついていた。

   この動画は、プロスノーボーダーの黒木誠さんが2025年12月7日、インスタグラムに投稿した。動画が拡散されて、大きな話題になっている。

   このクマについて、ネット上では当初、生成AIではないかとの声も相次ぎ、丸々と大きいことからヒグマではないかとの指摘まで出た。

   これに対し、黒木さんはその後、ブログなどで当時の状況を振り返っている。

   それによると、黒木さんはこの日、朝一で整地されたバーンを滑っていて、偶然クマに遭遇した。クマは、「物凄くびっくりした顔してた」という。

   X上では、リフトに乗っていたという別の人がこのクマを目撃したと投稿し、パトロール隊に通報したとしている。黒木さんによると、複数の人が林の中でクマを目撃したといい、クマはその後、別の山へ移動したとの情報もあった。

   HAKUBA47ウインタースポーツパークの公式サイトでは8日、「熊の目撃情報について」と題するお知らせを出し、「本物の可能性も考えられる」として、こう注意喚起した。

「当初、問い合わせの電話が1日10~20本ありました」

「猟友会を含めたパトロール循環監視の強化・熊よけ措置を行います。お客様におかれましても、しばらくの間、屋外での飲食・食物の保管をご遠慮いただきたく思います」

   12月9日には、X上でも「クマの目撃によるお問い合わせも大変多くなってきております」と報告して、「猟友会を含めたパトロール循環監視の強化を行います」と告げた。11日には、「パトロール各員・リフトスタッフ等も含め、始業前点検の中でクマの足跡などの点検を重点的に行い、安全が確保された後各ゴンドラ・リフトの運行を開始しております」と投稿し、公式サイトで追記も出して、「忌避剤等色々な対策をとっている為、コース外、ゲレンデ内の雪を絶対に口にしないようお願い致します」と呼びかけた。

   各地のスキー場では、積雪期に入っても、クマの出没がいくつか報告されている。

   4日には、長野県野沢温泉村内のスキー場近くで雪かき中の男性がクマに襲われケガをしたほか、13日には、長野県南魚沼市内のオープン前のスキー場近くでも、柿の木に登る子グマが見つかり、緊急銃猟で捕獲された。

   「冬眠しないクマ」の出没による影響は、どのぐらい出ているのだろうか。

   HAKUBA47を運営する白馬フォーティセブンの担当者は16日、J-CASTニュースの取材に対し、こう明かした。

「目撃情報があった当初、問い合わせの電話が1日10~20本ありました。雪の量が毎年変動しますので、単純比較はできませんが、敬遠している方もおられ、人出は減っていると思います。クマの足跡がないかスタッフが毎日確認していますが、その後は、クマの出没はありません。危ないと判断したときは、爆竹を鳴らすなどしています。リフト乗り場のそばには、クマ避けスプレーも置いており、様々な対策をしています」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

姉妹サイト