漫画雑誌「週刊ヤングマガジン」(講談社)で連載中の「満州アヘンスクワッド」の作画を担当していた漫画家・鹿子さんが2025年11月8日、脈絡膜悪性黒色腫のため死去した。37歳だった。同誌編集部が12月22日、同作品の公式Xアカウントを通じて報告した。訃報を受け、同業の作家からは追悼の声が相次いでいる。10月27日に「治療に専念するため不定期更新に移行」発表原作・門馬司さんと作画・鹿子さんによる「満州アヘンスクワッド」は、20年4月から講談社の漫画サイト「コミックDAYS」で連載を開始し、21年9年から「週刊ヤングマガジン」に移籍。25年12月時点で単行本は22巻まで刊行されている。同作は、満州(現中国東北部)を舞台にしたクライムサスペンス漫画。関東軍の兵士として満州に移住した主人公・日方勇が、家族を守るためアヘン密造に手を染めていく姿を描いている。25年10月27日には、鹿子さんが自身のXで、治療に専念するため不定期更新に移行すると発表。23年夏に脈絡膜悪性黒色腫と診断され、24年末には多臓器への転移が確認されたことも明かしていた。12月22日の発表で、ヤングマガジン編集部は「その卓越した画力と丁寧な描写力で素晴らしい作品を世に送り出してきました」とし、「心より鹿子先生のご冥福をお祈り申し上げます」と追悼。また、「鹿子先生からは生前に『自分の身に何かあった場合は代筆の方を立てて物語を完結させてほしい』という言葉を預かっておりました。代筆をお願いする方については未定ですが、編集部として鹿子先生の想いを継ぎ『満州アヘンスクワッド』を完結まで導いていく所存です」とし、代筆者は未定ながら作品の継続と完結を目指す方針を示した。「唯一無二の作画でした」「そのお気持ちいかばかりかと」「週刊ヤングマガジン」で連載中の作家からも、悲しみの声が寄せられている。「アマチュアビジランテ」原作の浅村壮平さんは22日、「ショックです。本当に残念でなりません...鹿子先生のご冥福をお祈りいたします」とXに投稿。「妹は知っている」の雁木万里さんも「忘年会で新人の私にも優しく接してくださったことを忘れません」と振り返った上で、「鹿子先生のご冥福を心よりお祈りいたします」と記した。また、「伍と碁」原作の蓮尾トウトさんも、「鹿子先生のご逝去の報に接し心よりお悔やみ申し上げます」とコメントした。「週刊ヤングマガジン」以外の作家からも、追悼の声が相次いだ。「でんぢゃらすじーさん」で知られる曽山一寿さんは、「直接お会いしたことはありませんでしたが昨年、小学館漫画賞にノミネートされた時から一気にファンになり連載を夢中で追いかけておりました。素晴らしい漫画をありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします」と投稿。「ヴィンランド・サガ」の幸村誠さんも、「人気の長期連載を完結させる前にご病気で亡くなるという、そのお気持ちいかばかりかと思います。おつかれさまでした鹿子さん。ご冥福をお祈りします」と悼んだ。「GANTZ」で知られる奥浩哉さんも、「満州アヘンスクワッド、好きな漫画でした。鹿子先生とはDMでも挨拶させてもらいました。唯一無二の作画でした。ご冥福をお祈りします...」と記している。「怨み屋本舗」で知られる栗原正尚さんも、「僕は漫画の単行本は色々な作品の第1巻を広く浅く買っているのですが、『満州アヘンスクワッド』は絵の持つ力に惹かれて2巻目以降も買っています。鹿子先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます」とコメントした。
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