「M-1グランプリ2025」イラスト企画で波紋 生成AIの使用OKだったが...「ゲンナリした」の声

   2025年12月21日に漫才日本一決定戦『M-1グランプリ2025』(ABCテレビ・テレビ朝日系)が放送され、たくろうが第21代王者に輝いた。

   報道によれば、関東地区の午後7時から放送の視聴率は、個人平均が11.4%、世帯平均が16.2%。関西地区の午後7時から放送の視聴率は、個人が18.2%、世帯が24.4%と、いずれも高視聴率を記録しており、「国民的行事」であることがわかる。

   注目度の高さから、漫才の内容にとどまらず、審査員の審査方法など、『M-1』を巡るさまざまなトピックスで毎年議論が展開されてきた。今年も、ネタとは関係ないところが物議をかもした。それは、番組放送中に視聴者から寄せられたイラストを紹介するコーナーだ。

  • 『M-1グランプリ2025』のイラスト企画で波紋(写真はイメージ)
    『M-1グランプリ2025』のイラスト企画で波紋(写真はイメージ)
  • 『M-1グランプリ2025』のウェブサイトより
    『M-1グランプリ2025』のウェブサイトより
  • 『M-1グランプリ2025』のイラスト企画で波紋(写真はイメージ)
  • 『M-1グランプリ2025』のウェブサイトより

「イラストは手書きでもAIで作成しても、何でも結構です」

   3番目にネタを披露したカナメストーンの採点終わりに、公式YouTubeチャンネルで生配信をしている別会場が映し出された。その際、別会場にいたマヂカルラブリーの2人は、視聴者が『M-1』内で心を動かされたイラストを応募する「M-1 2025 イラストワングランプリ!」を開催していることを伝え、実際に寄せられたイラストを紹介する。

   まず野田クリスタルさんは、1枚目に手書きのイラストを見せた後、「手書きで絵が描けない人も生成AIで作れます」と語りながら、Googleが開発した生成AI「Gemini」を使用して作成された2枚目のイラストを紹介。3枚目も同じく生成AIで作成された絵を見せ、村上さんは「誰でも簡単に作れます」と口にしていた。

   このことに「漫才を見たい視聴者にAIイラストを押し売りしてくる番組になりましたか」「M-1グランプリにおいて生成AIイラスト紹介時間ガチでいりません」「M-1のファンイラスト紹介するやつ、AI生成作品をスゲーって紹介してたのゲンナリした」「突然、謎の視聴者イラスト募集コーナーが始まったと思ったら、生成AIの絵が紹介されていて、さすがに冷笑が止まらん」といった批判的な声がネット上で出た。

   もっとも、『M-1』の公式ホームページには、「M-1 2025 イラストワングランプリ!」の概要として、「応募作品のテーマは『M-1グランプリ2025』。決勝戦で心を動かされたシーンなどをイラストにしてご応募ください」「イラストは手書きでもAIで作成しても、何でも結構です」と記されている。

   ただ、生成AIに対するネガティブな風潮は強い。そのうえで、魂を削って作り出したネタを漫才師が披露する賞レースにおいて、簡単に創作物を生み出せてしまう生成AIを取り上げることは、噛み合わせが悪かったのだろう。批判が寄せられるような事態となったのかもしれない。

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