高市早苗首相が2026年3月6日にXに投稿した、発生から15年を迎える東日本大震災の追悼式の出席に関するポストをめぐり、SNSで波紋が広がっている。
「諸般の事情が許せば、3月11日に、福島県が主催する追悼式に出席」
高市氏は「東日本大震災の発生から15年を迎えようとしています。本日、私から『国民の皆様へ』と題して、皆様に向けて大切なメッセージをお伝えいたしました」として、首相官邸公式ホームページでメッセージを公開した。
「この震災によりかけがえのない多くの命が失われました。最愛の御家族や御親族、御友人を失われた方々のお気持ちを思うと、今なお哀惜の念に堪えません」
今後の対応について、「いまだ被災地の方々が様々な課題に直面している現実を心に刻み、復興に全力で取り組んでまいります」とした上で、「これまでの復興を通じて蓄積してきた知見をいかし、今後切迫する大規模自然災害に対し、徹底した事前防災の推進や、発災時から復旧・復興までの一貫した災害対応の司令塔となる防災庁を今年中に設置すべく、準備を加速します」などとつづった。
こうしたなかで波紋を広げているのが、福島県が主催する追悼式をめぐる表現だ。
高市氏は、Xで「諸般の事情が許せば、3月11日に、福島県が主催する追悼式に出席させていただきます」と説明。この「諸般の事情が許せば」との説明をめぐり、一部から「諸般の事情が許せば?? なにその行けたら行くみたいな言い回しは」「総理大臣が『行けたら行くわ』って言うの初めて聞いた」などとする批判の声が上がった格好だ。
「福島県が主催する追悼式」では岸田文雄元首相も同様の表現
厳しい声も見られる「諸般の事情が許せば」との表現だが、実際には首相や閣僚の予定の発表する際、通例的な使い回しでもある。
たとえば、石破茂氏が首相を務めていた25年6月20日時点の首相官邸ウェブサイトでは、当時の林芳正官房長官による記者会見の議事録で、「石破総理は、諸般の事情が許せば、来週6月23日月曜日、沖縄県を訪問し、『戦後80年沖縄全戦没者追悼式』に出席する予定」と説明していた。
また、22年6月1日、当時の首相・岸田文雄氏の動向についても、「岸田総理大臣は、諸般の事情が許せば、6月10日からシンガポールで開催されるシャングリラ・ダイアローグに出席する予定です」と発表されている。
今回問題となっている福島県主催の追悼式をめぐっても、同様の表現が確認できる。24年3月1日には、岸田氏による談話の発表とともに、「岸田総理は諸般の事情が許せば、3月11日に福島県が主催する追悼式に出席する予定」としていた。
「むしろ総理の強いご意向で早い段階から発表されたということ」
経済産業省での勤務などの経歴を持つ自民党の中野絢斗(けんと)県政政策委員も、Xで「『諸般の事情が許せば』というのは、国会の了承等が得られたらという前提条件を示す言葉であって、永田町や霞が関の役所の常套句です」と指摘している。
「本来は首相や大臣のスケジュールは、国会等にも根回しをして諸々の条件をクリアした後に発表するので断言した形で発表されますが、首相や大臣の強い意向で、諸々の条件をクリアする前に発表する際、『諸般の事情が許せば』と一言が付けられます」といい、「役所的な言い回しではありますが、すなわち今回の総理の被災地訪問は、むしろ総理の強いご意向で早い段階から発表されたということ」としている。
東日本大震災の発生から15年を迎えようとしています。本日、私から「国民の皆様へ」と題して、皆様に向けて大切なメッセージをお伝えいたしました。
— 高市早苗 (@takaichi_sanae) March 6, 2026
諸般の事情が許せば、3月11日に、福島県が主催する追悼式に出席させていただきます。https://t.co/3VnNcZZDZc