就職活動では、企業とのやり取りの多くがオンラインシステムで管理されている。リクルート就職みらい研究所が2025年2月20日に発表した「就職白書2025」によると、2025年卒採用の面接開始時期として、Web面接を行った企業は「卒業年次前年2月までの累計」で49.2%となるなど(回収社数は1510社で、回収率31.0%)、面接開始時期の早期化、そしてオンラインでの選考プロセスが定着しつつある傾向がみられるという。このようなデジタル管理が進む一方で、連絡や手続きの行き違いが就職活動において不安材料になるケースもある。今から2年前、就職活動中だった山本直樹さん(仮名・20代)もそのひとりだ。面接前に起きた受付でのトラブルあるIT企業の面接だった。企業研究を重ね、自己PRや志望動機を何度も練習して当日を迎えた。「準備はできる限りやったつもりでした。あとは『落ち着いて話すだけ』という気持ちでした」しかし、受付で名前を伝えた瞬間、想定外の言葉が返ってきた。「お名前が名簿リストにありません」なにが起きているのか、理解できなかった。「応募完了メールもありますし、日程の連絡も受けています」と伝えたが、その場ではすぐに確認が取れなかったようだ。そのため、待合スペースで待つことになった。周囲の就活生が次々と呼ばれていく状況に、自分だけが取り残されているような不安が募った。「これまでの準備が無駄になるのではないかと思いました」深呼吸を繰り返しながら、気持ちを落ち着かせることだけに集中したという。面接で引きずらないためにしばらくして名前の確認がとれ、予定通り面接室に案内された。「予想外のことを、引きずらないように意識しました」面接では、自分の強みや志望動機を丁寧に伝えることに集中した。質問の意図を確認しながら答え、緊張で早口にならないよう心がけたそうだ。後日、人事担当者から連絡があった。「社内システムへの入力ミスでした。ご迷惑をおかけしました」名簿リストに名前がなかった原因は、企業側の事務的なミスだったのだ。選考への影響はなく、しかも最終的に山本さんはその企業から内定を得たという。「冷静に対応できたことは自信になりました」もし選考過程で予想外の事態に直面した場合は、感情的にならず、事実関係を整理し、客観的に考えることが大切だ。状況を冷静に伝える姿勢は、それ自体が社会人としての資質を示すことにもつながるだろう。就職活動は、企業に選ばれる場であると同時に、自分の対応力を試される場でもある。想定外の出来事が起きたときこそ、その人らしさが表れるのかもしれない。
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