米メディア「ニューヨークポスト」(ウェブ版)が2026年3月16日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の戦略に関して「根本的な問題があった」と指摘した。
「日本のアイデンティティの危機がWBCでの惨敗を招いた」
1次ラウンド・プールCを首位で通過した日本は、15日に米フロリダ州マイアミで準々決勝を行い、プールD2位のベネズエラに5-8で負けた。
試合は、重量打線で臨んだベネズエラが打力で日本を圧倒した。
初回に先発・山本由伸投手(ドジャース、27)が、先頭ロナルド・アクーニャ・ジュニア外野手(ブレーブス、28)にソロ本塁打を浴び、いきなり1点を失った。その裏に、先頭・大谷翔平選手(ドジャース、31)が豪快にライトスタンドに運び、同点に追いつくも、2回に山本が1点を失いリードを許した。
1点ビハインドの3回、1死1、2塁から佐藤輝明内野手(阪神、27)のタイムリー2塁打で同点とすると、続く途中出場の森下翔太外野手(阪神、25)が3ランを放ち逆転に成功した。
日本は4回以降、打線が沈黙。これに対してベネズエラは、5回に2ラン、6回に3ランが飛び出して逆転に成功した。8回にも1点を追加し、日本を引き離すと、そのまま逃げ切った。
大会2連覇を目指した侍ジャパンが、まさかの準々決勝敗退。「ニューヨークポスト」は、日本の敗因について「サムライジャパンのアイデンティティの危機が、WBCでの惨敗を招いた」とのタイトルで記事化した。
記事では、試合後に大谷翔平選手(ドジャース、31)が、「こんな形で終わるのは本当に残念です。でも、次がありますから」と語ったことを伝え、こう続けた。
「スモールベースボールよりも長打を優先した」
「その『次回』とは、オリンピックかもしれない。あるいは次回のWBCかもしれない。いずれにせよ、サムライジャパンは、それまでの間に重大な決断を下さなければならない。自分たちが何になりたいのか、見極めなければならないのだ。なぜなら、WBC準々決勝での敗戦において、日本代表は自チームの現状について決定的な判断を下されたからだ」
「ニューヨークポスト」が指摘したのは、今大会、打撃を重視したメンバー構成だったため、日本野球の「良さ」が出なかったことだ。記事では、次のような見解を示した。
「アプローチを現代化しようとした結果、日本は自らのアイデンティティを失ってしまった。伝統からあまりにも逸脱したことで、2連覇のチャンスを自ら手放すことになってしまったのだ。彼らは『日本の野球』をしていなかった。守備よりも攻撃を、スモールベースボールよりも長打を優先した」
そして、「この戦略には根本的な問題があった」とし、その「問題」について説明した。
「メジャーリーグで実績のある大谷翔平、鈴木誠也、吉田正尚以外に、打線に脅威を与えられる選手が誰もいなかった。『ビッグ3』とその他の選手との実力差は、日本が無敗を誇ったグループステージの段階ですら、明らかだった。控えの選手たちの中には、手段を選ばず出塁する術を心得ている選手が十分にいなかった。また、走者を進塁させることのできる選手も不足していた。鈴木が膝の負傷で途中退場したことを考えれば、3回以降ベネズエラから1点も奪えなかったのも無理はない」
「日本は守備を犠牲にしてまでこの打線を組んだ」
記事では、WBC日本代表の井端弘和監督(50)の起用法にも疑問を投げかけ、次のように提言した。
「日本は守備を犠牲にしてまでこの打線を組んだ。井端監督は、カブスでの4シーズンで、わずか1度しか守ったことのないセンターに鈴木を起用した。日本が国際野球界のナンバーワンとしての地位を取り戻すためには、時代に合わせて変化していかなければならない。しかし、相手のやり方に合わせるわけにはいかない。かつて他チームとの差をつけていた特質を失ってはならないのだ」
準々決勝敗退で大会2連覇を逃した侍ジャパン。報道によると、井端監督はベネズエラ戦後、退任する意向を示したという。