共産党を除籍・解雇された元党員が起こした裁判を「応援」するとSNSに書き込んだことなどが問題になり、共産党所属議員が会派を離脱し、党も離れることになった。離党するのは、大山奈々子神奈川県議。大山氏が2026年3月31日、記者会見して明らかにした。
大山氏は横浜市港北区(定数4)選出で、現在3期目。25年11月、党から27年春の統一地方選で公認しないことを伝えられ、離党を決めたという。大山氏は統一地方選に無所属で臨む一方で、党は対抗馬を擁立する方針だ。
「党を攻撃する裁判を応援するとは何事か、と言われた」
共産党では、漫画評論家の神谷貴行氏が規約違反に問われて除籍・解雇され、24年11月12日、党員・職員としての地位確認を求めて東京地裁に提訴している。除籍・解雇までにパワハラがあったなどとして、党側に約983万円の損害賠償も求めている。
神谷氏の除籍・解雇は、ベテラン党員だった松竹伸幸氏が党首公選制を著書で主張したことなどが原因で除名され、それに神谷氏が異論を唱えたことが発端。松竹氏は地位確認を求めて24年3月に提訴しており、係争中だ。
大山氏によると、神谷氏の訴訟を「応援」するとSNSで発信したことが、党側から「公認されない理由として一番言われたこと」だ。「党を攻撃する裁判を応援するとは何事か、と言われた」という。
大山氏は24年11月に、神谷氏のポストを引用して
「神谷・砂川(編注:23年の福岡県議選に党公認で出馬し、24年に除籍された砂川絢音氏)両氏の福岡問題、よく知らないのにコメントするなというご意見がありますので、この裁判を応援します。主張が食い違っている場合、第三者による裁定が必要です。ハラスメントや労働問題でもありますからね。党が間違っていないなら客観的に証明されることが必要だと判断しました」
と投稿しており、このポストが主に問題視されたとみられる。
党規約では「党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない」
大山氏は党の対応を、
「私としては党の規約に反する投稿はないと考えており、党内の規律委員会でそのように処分されたという事実もない。非公認の理由としては全く納得がいかないのが正直な気持ち」
などと批判。投稿は規約違反に当たらないとして、その理由を次のように主張した。
「私はどのような個人であっても組織であっても、人間である以上、全く誤りがないものとは考える立場ではない。共産党からの処分を不服として訴えている人がいるのであれば、それはちゃんと司法の場で判断をしてもらって、党が問題なければ党の潔白が証明できる。党の対応に問題があったのであれば、人権擁護の立場に立って誤りを正す、そういった対応がされることが望ましいと思っている。その意味では、全ての裁判という裁判を私は応援している。特に訴えている原告を応援するという意味ではなく、ちゃんと然るべき結果が第三者の目によって証明されるのであれば、それは望ましいことだと、民主主義の普通のルールのあり方としてそれを応援するといったものだった」
党側は、県委員会と県議団連名で声明を出し、公認を見送る理由について
「同氏(編注:大山氏)が自ら承認した党規約の精神に反し、党の決定に反する意見を党外に発信する行動を繰り返してきた」
と説明。党規約第5条の
「党の統一と団結に努力し、党に敵対する行為はおこなわない」
「党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない」
といった内容を挙げた上で「問題の行動が繰り返された」としている。統一地方選では「新たな候補者」を擁立する方針も明記している。
J-CASTニュースの取材に応じた藤原正明・県委員会委員長によると、大山氏は3月31日付で離党。神谷氏の訴訟以外についても問題になりうる発信が複数あったとしている。
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)
神谷・砂川両氏の福岡問題、よく知らないのにコメントするなというご意見がありますので、この裁判を応援します。
— 大山奈々子(誰1人置き去りにしない県政を) (@nanako_jcp) November 9, 2024
主張が食い違っている場合、第三者による裁定が必要です。ハラスメントや労働問題でもありますからね。
党が間違っていないなら客観的に証明されることが必要だと判断しました。 https://t.co/KnaK67gvtS