片山さつき財務相のSNS発信が波紋を広げている。自分を過剰に称賛する運営者不明の「政治系切り抜き動画」を自身のX(旧Twitter)で何度も紹介。かつて誤情報の拡散に加担したとして批判された過去もあることから、現職大臣としての情報リテラシーを疑問視する声が広がっている。現職大臣の「完全論破」アピールにドン引きSNSをざわつかせているのは、2026年4月2日にXへ投稿した内容だ。片山氏は個人運営とみられるYouTubeチャンネルの動画を、自分のコメントは何も添えずに紹介。動画のタイトルは「※『アリペイの何が問題?』記者の質問に片山さつきが"情報量2倍"で完全論破...中国決済の闇がヤバすぎる...」というもの。片山氏の記者会見の動画にテロップをつけた、いわゆる「政治系切り抜き動画」だ。このチャンネルには、野党やマスコミを貶し、自民党を称賛する内容の動画が並ぶ。公開されている最も古い動画は25年11月のもので、高市政権が誕生した時期と重なる。ただ、チャンネル自体は22年に開設されており、英語版プロフィールでは「日本の四季を体感しましょう。仕事や勉強にぴったりの相棒、Lo-Fi勉強用BGMチャンネルをご紹介します」と記されたまま。元々は別のテーマを扱っていたが、収益が見込める「政治系切り抜き動画」に転向したチャンネルとみられる。現職大臣が公的ではない、出所が明らかでない切り抜き動画を公式SNSで紹介する行為には、困惑の声が噴出した。「情報リテラシーゼロであることをセルフ開示する現役国務大臣」「こんなの自分で拡散する大臣イヤすぎる」「『完全論破』なんて言葉を使って、少しも恥ずかしいと思わないのだろうか」などの拒否反応が相次いでいる。片山氏は1月にも、自身を称賛する別のYouTube動画をXで取り上げていた。これら「政治系切り抜き動画」は、前安芸高田市長の石丸伸二氏や兵庫県の斎藤元彦知事、参政党や高市早苗政権下の自民党などが選挙で躍進するのを後押ししたとの見方がある。一方で、発言の文脈が正しく反映されていなかったり、真偽の怪しい情報が含まれたりしていることが問題視されてきた。過去にはSNS投稿削除&謝罪騒動も片山氏の危ういSNS発信は、今回が初めてではない。過去十数年にわたり、ネットリテラシーや事実確認の甘さを露呈する場面が繰り返されてきた。自民党が下野していた時期の12年には、まとめサイト「ハムスター速報」の記事を旧Twitterで紹介。韓国による従軍慰安婦記念碑に関する記事に対し、片山氏は「皆さんのご協力で、撤去要請の署名、25000を超えました。ご協力ありがとうございます!」「みんな、ハム速を守ろう!」などの文言を添えた。しかし、この「ハムスター速報」は、当時から不確かな情報の拡散が問題視されており、片山氏が投稿する数日前には大手掲示板「2ちゃんねる」から転載禁止の通告を受けていた。当時も旧Twitterでは「元ソースからツイートした方が良いと思います」「マジでもう少し考えて」と、ドン引きする声が目立っていた。片山氏の「前科」はそれだけではない。14年には噴火によって多数の犠牲者を出した御嶽山について「民主党政権の事業仕分けで常時監視の対象から外れた」という趣旨の内容を旧Twitterに投稿。事実無根だったことが判明し、片山氏は謝罪と投稿削除をする羽目になった。コロナ禍の21年には超党派の議員連盟の活動として「空間除菌」や「空気除菌」の有効性を旧Twitterでアピール。鼻出しマスク姿の自分の画像と共に「政府機関が有効性を科学的に認定を!」と呼びかけた。この投稿は医療関係者などから「信じられないぐらい科学リテラシーが低いですね」とあきれられる始末となった。イラン情勢の悪化で、本来であれば円安への対応が真っ先に求められる片山氏。4月3日の夜には、円安を牽制する自らの発言のニュース記事をXで紹介。しかし、それよりも先に投稿していたのは「【速報】日本がついに『シェルター義務化』へ。片山大臣が警告『3月よりリスクは上がった』緊迫の中東情勢と20年越しの執念が繋がった瞬間」という、やはり運営者不明の「政治系切り抜き動画」だった。
記事に戻る