「下町の玉三郎」として大衆演劇の第一線を走り続けている俳優の梅沢富美男さん(75)が2026年4月5日放送の「おしゃれクリップ」(日本テレビ系)に出演、自身の人生観について語ったが、懸命に働くのは劇団員にお腹を空かせたくないからだという。
母の言いつけ「劇団員のお腹をすかせてはダメ」
梅沢さんの父親は、大衆演劇のスターだった梅沢清さん。清さんが1939年に「梅沢劇団」を旗揚げして、2代目を兄の武生さんが継ぎ、富美男さんが3代目。今も全国各地で精力的に舞台公演を行っている。
番組は匿名で劇団員の声を紹介したが、それを聞いた梅沢さんは「匿名って卑怯じゃないですか。匿名は世の中で一番嫌いだ」とさっそくご意見番の口調となった。ある劇団員は「地方公演の時はみんなギャランティの他に食事代もいただいています」と梅沢さんの気遣いに感謝する。梅沢さんは自身の過去を振り返りながら「自分が貧乏だったから。若い時にお腹すきましたもの。そういう思いをさせたくない」と、亡くなった母親の言葉を披露した。
「劇団員のお腹をすかせてはダメ。人間はお腹をすかせるとろくなことをしない。できるなら何とかしてあげな」
母の言いつけを守って、今でも劇団員のためにおせちを作ったり、地方公演では「来たい人は来なさい」と食事に連れていったりもするという。
「老害とかクソジジィとか言われますが、これも宣伝のうち」
「そこまで劇団員のためにできる理由は」というMCの山崎育三郎さんの問いに、
「(劇団員が)大事ですから。一人で芝居はできない。野球と一緒、一番バッターから9番バッターまでいる。ピッチャーもいればキャッチャーもいる。だからみんなを大事にする」と答えた。
今やバラエティー番組から俳句までマルチに活躍する梅沢さんだが、すべては「劇団を維持するため」だという。「いろんな仕事もやるし劇場にお客を呼ぶためにテレビにもどんどん出る。どんな売れ方でもいい。(テレビに出ていて)老害とかクソジジィとか言われますがそれはそれとして、昭和の男だっているんだというのを見てもらうのも宣伝のうち」と話した。
これぞ、昭和の男の見得の切り方ではないか。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)