「新生活が始まると、ナイトワーカーの数が増える」なんていわれがある。昨今は夜職ブームの影響で通年の「デビュー組」が多く、「人員増強」は春に限った話ではなくなったものの、いずれにしても4~5月は求人に力が入る季節だ。
入学早々夜のお店に面接へ行く女子大生、3月の退職を皮切りに歓楽街へ飛び込む元・会社員など、新生活と共に環境の変化を求める人は、いつの時代も存在するもの。そして、スカウトマンが元気な時代はこの手の女性たちを掴むため、春は非常に活発な季節だったという。
未来のスターを発掘したい...採用基準は?
ここ数年、1年を通して応募が殺到しているため、新人はどんな時期でも採用される。しかし、新年度こそフレッシュな人材を欲するのは事実で、「7月の繁忙期に向けての人員を今のうちからそろえておきたい」なんて狙いも強い。4月入店の新人が夏を迎える前に「化ける」例も見られ、未来のスターを発掘するべく、早い段階で採用を強化するのだ。
若くて初々しいというのは、この時期は特に有利。新人発掘の時期は面接の審査基準が少しだけ緩い。その理由としては離職を考慮して多めにキャストを在籍させ、育たないor育ち切らない人を早々にリリースするからだ。
最近は希望者が多いせいで、都会は1人に多大な時間をかけられず、根気強く教育しない店も増えた。よって、4月にデビューできたとしても、全く結果を出せないと時給によっては速攻で切られる恐れもあり、「入ってから勝負」なことに間違いはない。
ちなみに、ルックスがハイレベルな場合は未成年でも入店OKなところも多い。高校を卒業したばかりの女性も4月には現れやすく、将来性を見込んで高時給を提示するのも「あるある」な話だ。
もっとも、未成年はお酒が飲めないせいで少し採用基準が上がるものの、学生終了と共に面接へ来てくれるなら高確率で夜職専業だろう。夜一本、レギュラー出勤、長期在籍が見込まれるからこそ、店からすると春に超・若者(美人に限るが)がきてくれるのは非常にありがたいのである。
新年度は初々しいナイトワーカーが歓楽街に増え、初めての同伴にアフターに大奮闘。たまに飲み慣れていなくてアフターバーでサパー、そして路上で大騒ぎ→ミスをやらかす姿も見かけるけれど、それも勉強の1つ。たくさんの失敗と努力を重ねて、みんな立派なキャストへと成長していく。
「新生活と共に夜職スタート」タイプは長続きするのか?
求人強化に加えて始まりの季節という華々しい雰囲気が流れているなら、「新生活と共に夜職」なんてスタートを切るのもうなずける。
ただし、やる気たっぷりの4月、5月の入店も長続きするかは全く別の話。最初からモチベーションが高いならそのまま売れっ子になる可能性も低くはないが、時折憧れが強すぎて玉砕する人もいる。
前々からSNSを見てナイトワーカーになりたいと熱望し、満を持してデビューした結果、うまくいかない→想像以上にショックが大きく、離職へとつながるケースも頻繁に起きるのだ。肩の力がガチガチに入り、期待が大きすぎるといざやってきた理想と現実のギャップに耐えられないのかもしれない。
この季節はWワーカーも増えるものの、いざ仕事を始めて生活リズムがめちゃくちゃになり、本業をあっさりとやめるか、泣く泣く副業を手放すことも......。
早い段階での離脱組は5月末~6月と初夏頃から現れ、繁忙期突入前には相当な数が消えていると思っていい。秋ごろまで続けば御の字で、年末まで在籍すればもはや優秀レベル。そのくらい、都会の歓楽街とは争いも何もかもが激しいのだ。
「春に何かを始めたい」というのは多くの人が思うので、それが歓楽街の風潮に現れるのは決しておかしな話ではないだろう。始まりの季節はキリが良く、人々の心を活発にさせるため、春=ナイトワーカーが増える法則は納得のいくものかと思う。
職に就く前にさまざまなデメリット等を考えてほしいが、勇気を持って踏み出したのならあとはもう進むだけ。勝手ながら、新米ナイトワーカーにはめげずに勝利を勝ち取ってほしいとエールを送りたくなってしまうのだ。
【プロフィール】
たかなし亜妖/2016年にセクシー女優デビュー、2018年半ばに引退しゲーム会社に転職。シナリオライターとして文章のイロハを学び、のちにフリーライターとして独立する。現在は業界の裏側や夜職の実態、漫画レビューなど幅広いジャンルのコラムを執筆中。