新作の米映画「プラダを着た悪魔2」が2026年5月1日に日本でも公開されるのを前に、公式クリップ映像がX上で公開されたが、その中でアジア人の「ステレオタイプ」な表現があったとの批判が出ている。
背の低いメガネ姿の登場人物が、高学歴を鼻にかけるような人物に描かれており、アジア人差別ではないかとの声もあった。一方、この人物をコメディとして演出しただけで他意はないといった意見も出ており、その表現をめぐって議論になっている。
背の低いメガネ姿の登場人物が、高学歴を鼻にかけ...
有名ファッション誌の鬼編集長の下で、再び働き始めたヒロインのアンディは、中国系俳優が扮する女性アシスタントに声をかけられる。
この女性は、アンディより背が低く、上下ともチェック柄の単調な服を着てメガネ姿だ。女性は、新しいアシスタントだと名乗り、アンディと握手する。最初はにこやかに会話するが、女性がまくし立てるようになり、アンディは困惑した。それでも、アンディが女性をほめたたえると、女性も笑顔でまた握手を交わす。
このクリップ映像は、映画を配給する「20世紀スタジオ」のXアカウントが4月17日に投稿した。投稿では、英語で映画の公開をPRしていた。
ところが、中国メディアがこの女性の人物像についてネット上などで非難の声が出ていると報じ始め、韓国の大手紙「朝鮮日報」なども22日からこの動きを次々に報じた。
その報道によると、この女性の名前「秦舟(チンジョウ)」は、欧米で中国人をやゆするときに使われる表現「チンチョン」によく似ているとの指摘が出た。また、アンディらと対照的でファッションセンスがなく、自らを強く主張する人物として描かれているとし、欧米人がアジア人に抱くとされる「勉強はできるが社交性に欠ける」というステレオタイプを再現していると批判された。
こうした表現に不満が広がっており、映画をボイコットする動きも中国国内で出ていると報じられている。
「有能さを示すコメディで差別ではない」との声も
日本でも、4月22日になって、映画のクリップ映像がX上で相次いで取り上げられるようになった。アジア人差別ではないかとの指摘が出て、大きな話題になっている。
様々な意見が書き込まれており、「アジア系に対する根深い差別意識の証左」「結構愉しみにしてた映画なのに醒めるな」「黒人この扱いしたら大炎上だろうに...」などと批判的な声は多かった。
その一方で、「有能さを示すコメディで差別ではない」「実際このタイプのアジア人多い」などと理解する声も出ており、中国系俳優扮する女性について、「映画の後半で彼女は大化けするのでは」との見方もあった。
今回の映画は、06年に公開されて旋風を巻き起こした前作「プラダを着た悪魔」の続編に当たる。前作の鬼編集長とアンディが、雑誌存続の危機に再びタッグを組み、ファッション業界に大旋風を巻き起こす、というストーリーだ。アンディ役をまた務める米俳優のアン・ハサウェイさん(43)は映画公開前、米誌「ピープル」が「世界で最も美しい女性」に選出している。
そのアンディのアシスタント役をしたのが、アメリカ人の中国系俳優だ。この俳優は、自らのインスタグラムなどで映画公開を盛んにアピールしている。今回の騒動については、まだ何も触れていない模様だ。
騒ぎの渦中にあっても、映画は、日本でも予定通り公開されるのだろうか。こうした点について、J-CASTニュースでは、映画の公式サイトを運営するウォルト・ディズニー・ジャパン(東京都港区)に取材を申し込んでいる。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)