2026年5月11日の参院決算委員会で、立憲の森裕子氏は文春報道を元に質問。文春では、高市早苗首相の秘書が25年の自民党総裁選や26年2月の衆院選で他の候補を中傷する動画の作成、拡散に関わっていたとしていたが、首相はそれを明確に否定した。首相は、選挙で「他の政党の政策に関して意見を言うことはあっても、対立候補の人格攻撃をしたことはない」と主張し、「週刊誌がそれだけ細かく書いているから本当(のこと)だと言うかもしれないが、私が口にもしていない言葉をカギカッコつきで『こう言った』とか、『こういうことをした』とか、平気で書いている。だから、週刊誌の記事をもとにギリギリと聞かれても、私自身が秘書に確認したことがすべてだし、それを信用する」と強調した。
森氏は「残念ながらこの週刊文春の記事しかないが、これが事実だとしたら大変なことだ。民主主義の根幹である選挙の公正性、それによって握った権力の正当性が問われる」と「もう一回確認してほしい」と求めた。
国会質問で名誉傷つけられても免責特権で訴訟できず
森氏にはかつて筆者の周辺や筆者も迷惑を受けた。国家戦略特区ワーキンググループ(WG)座長代理の原英史氏は、森氏に国会質問やネット上の情報拡散で名誉を傷つけられた。国会質問では筆者も名誉を傷つけられたが、こちらは憲法51条による免責で訴訟ができず、森氏のネット上の発言だけに限定せざるを得なかった。国会質問での資料が晒され、筆者も大きな迷惑を被った。原氏の損害賠償訴訟では、東京地裁は22年3月18日、森議員に34万円の賠償を命じ、23年1月に二審も判決を支持し勝訴が確定した。この件は、報じた毎日新聞をもとにしていたが、まだ森氏は週刊誌に頼る国会質問をしているわけだ。
たしかに、今やSNS上では「情報戦争」が激化し、その真偽を見極めるのは大変だ。同じ週刊誌系であるものの、同時期に興味深い記事もある。デイリー新潮の「中国政府が動員できるアカウントは500万~1000万」には、日本人を分断する中国の「SNS部隊」があり、「中国本土でしか使わない漢字や言い回しが残っている」という。高市首相が自分で使わない言葉というように、自分でみたら偽物であることは容易に判別する。この記事の後半には、「尖閣諸島は中国領」とAIが答えるように」とあり、中国の偽ニュースサイトの狙いは「他国のAIに偽情報を"事実"と認識させること」としている。まさに、情報戦争が行われており、国会議員がそうした走狗になってはいけない。
++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはしよういち)元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。
直後に最高裁からもう一件連絡があり、森ゆうこ前議員との名誉毀損訴訟についても、上告棄却で私の勝訴が確定しました。
— 原英史 (@haraeiji2) January 11, 2024
これで、私の一連の訴訟は、すべて勝訴で終結しました。 pic.twitter.com/lExzh4UJCV