共産党の機関紙「しんぶん赤旗」の記事に対し、日本維新の会の藤田文武共同代表が反発して記者の名刺をX上で晒し続けており、2026年5月13日の会見でも、削除に応じない姿勢を示した。
これに対し、赤旗では、記者脅迫のきっかけを作ったと記事で批判し、法的な検討も続けていることを取材に明らかにした。互いに歩み寄りは見られず、両者のバトルは、長期化の様相も呈している。
「正確な記事が出ない場合は公開すると伝え拒否されなかった」
「『記事が正確に書かれない場合は公開します』というふうに言って、向こうからは、『いや、しないで下さい』という要望はなかったので、言った通りにさせていただいたということです」
藤田氏は、5月13日の会見で、名刺投稿を巡る質問にこう答え、投稿の掲載を続ける考えを示唆した。投稿は、14日夕現在も削除されていない。
今回の名刺問題は、藤田氏の公設秘書が代表を務める会社に、ポスターなどの印刷代として約7年間で約2000万円の公金を支出していたとして、赤旗の日曜版が25年10月29日付ウェブ版記事などで藤田氏の公金還流疑惑を報じたのがきっかけだ。
この報道に対し、藤田氏は翌30日、自らのX投稿で、実態のある正当な取引を適法に行ったと説明し、公金還流というのは恣意的な記事だと反論した。質問の回答期限が翌日なのは不誠実で、回答内容を反映しない記事だったとして、自らの回答全文をアップした。それと同時に、記者の携帯電話番号やメールアドレスの一部にモザイクをかけたうえで、名刺画像も出した。
一方、赤旗は11月4日、「記者の名刺画像公開の削除と謝罪を求める申し入れ」と題する文書を公式サイトに投稿した。そこでは、名刺画像公開について、取材活動への重大な妨害でプライバシー侵害にも当たるとして、画像の削除や謝罪などを求めた。対応がない場合は、法的な検討に入るとした。
ところが、藤田氏は、同日の会見で、名刺画像にはモザイクを入れており、投稿した範囲の内容は「公開情報」だと説明し、申し入れには応じない姿勢を示した。公金問題については、今後は公設秘書の会社を使わないと説明した。
日曜版編集長「名刺公開のことは一切書いておらず、まったくのウソです」
名刺投稿を巡っては、50代の男性が当時これを引用して赤旗の記者を脅迫したとして、赤旗が警視庁に刑事告発し、5月13日になって、この男性が書類送検されたと報じられた。
藤田氏は、同日の会見で質問を受け、脅迫行為は責められるべきだが、投稿との因果関係については、「分かりません」と述べた。さらに、質問が続くと、「私が起因していないと思います」と関係性を否定し、その理由として、知らない人が投稿に感化されたから責任が問われるというのはどうなのかと述べた。
一方、赤旗は、14日付ウェブ版記事で、記者の名刺晒しは脅迫行為を誘発した「犬笛」行為だと主張し、故意か過失による権利侵害に当たる民法上の不法行為の可能性が高まったとする弁護士のコメントを載せた。
赤旗日曜版の山本豊彦編集長は同日、J-CASTニュースの取材に対し、正確な記事が出ない場合は公開すると伝え拒否されなかったとする藤田氏の会見内容について、こう反論した。
「本人の投稿にもあるように、FAXでのやり取りで、『場合によっては、こちらの質問状とそれへの回答全文を公開する』という内容を書いてきましたが、名刺公開のことは一切書いてありませんでした。勝手に公開しており、まったくのウソです」
名刺は公開情報だとする藤田氏の主張については、「記者の証明のために出したもので、勝手に公開するのは目的外使用になります。許されることではありません」と述べた。
「身内の秘書のことで回答が難しい話ではなく、回答のうち必要な部分については記事に載せてあります。書類送検された事件の起訴状況を見ながら、訴訟を起こすかも含めて、法的な検討は止めません。藤田さんが謝罪をして削除するまで戦っていくつもりです」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)