俳優の高畑裕太さんが2026年5月16日、強姦致傷容疑で逮捕(後に不起訴、被害者とは示談成立)された16年の事件をめぐり、声明を公開した。16年8月に群馬県内のビジネスホテルで逮捕高畑さんは16年8月、映画『青の帰り道』の撮影のため滞在していた群馬県前橋市内のビジネスホテルで、女性従業員に性的暴行を加えたとして逮捕された。被害者とは示談が成立し不起訴となったが、所属事務所のマネジメント契約も解除された。22年4月のインスタグラム投稿では、事件後に遺品整理のアルバイトを経て、介護施設でヘルパーとして約3年間勤務していたことを報告。19年に舞台で芸能活動を再開した。事件から10年近くがたった26年5月、高畑さんはXで「この度、私、高畑裕太が9年前に起こした不祥事について、声明を発表させていただく運びとなりました」として、公式サイトで声明を発表した。「報道されたような『性的暴行』に該当する行為は行っておりません」高畑さんは事件について「まず、ホテル従業員の女性と関係を持ったこと自体は事実です」とした上で、「しかしながら、報道されたような『性的暴行』に該当する行為は行っておりません。また、怪我を伴うような暴力行為も行っておりません」と主張した。当時の詳細な事実経過については説明を控えるとした上で、「少なくとも、報道にあったような一方的に電話で呼び出し、無理やり室内に連れ込むといった事実はなく、事実と報道には大きな齟齬がありました」とした。その上で、「当時所属していた事務所および撮影関係者が警察署内で待機しているところに、ホテル従業員の女性の『交際相手』を名乗る人物が怒鳴り込んできました」と告白。当該人物は「元暴力団関係者」であり、「当時所属していた事務所および関係者に対して、高額な金銭要求が行われていた」とした。「『示談をしたから不起訴』刑事手続の実態とは一致しない」当時、高畑さんは「長期間不安定な立場に置かれるリスクを考慮」し示談に応じたが、「『示談をしたから不起訴になった』という単純な構図で本件を理解することは、刑事手続の実態とは一致しない」とも主張。仮に起訴された場合には「無罪主張を行っていた」という。当時、マスコミ報道と実態にはギャップがあったと高畑さんは受け止めているが、恐怖感のほか「自分が言葉を投じることによって、家族や、周囲の方々にまた迷惑をかけてしまうのではないかという想いが拭えなかった」ことから弁明を避けてきたという。しかし、「いつかは自らの言葉で整理し、説明すべき時が来るのではないか」との考えが強まり、今回の声明に至ったとした。現在は劇団を主宰し、表現活動を続けているといい「これまで以上に責任と自覚を持って、誠実に取り組んで参ります」と結んだ。「高畑氏が語った女性の服装があまりにも出鱈目だった」編集者で週刊現代の元編集長・山中武史氏は、高畑さんの声明を受け「週刊現代にこの女性側の告白記事が掲載された時の編集長は僕だった」とし、Xで思いをつづった。「僕が『女性側の告白のほうが信頼できる』と確信した理由は、今でも覚えている」と当時を振り返り、「週刊文春で高畑裕太氏が『美人局だった』と主張する記事の中で、高畑氏が語った女性の服装があまりにも出鱈目だった」とした。当時、証拠品として警察に提出されていた服装と、高畑さんの主張は大きく食い違っていたといい、「僕が今でも残念に思うのは、2016年当時は『性加害』についての日本社会の認識がまだまだ遅れていて、文春の『美人局』記事のほうが週刊現代の女性の告白よりも反響を呼んでしまったことだ」とつづった。「僕は当時記事を掲載した責任者として、この女性の告白が軽んじられてはならないと、あらためて言っておきたい」としている。高畑さんの声明全文高畑さんは報道の際は全文掲載を求めている。声明全文は以下のとおり。この度は、本書に目を通していただき、ありがとうございます。本書は、私、高畑裕太が約9年前に起こした不祥事について、事実関係の説明と、これまで公にしてこなかった経緯、そして現在の自分の考えを、自らの言葉で整理し、公表するものです。長文となりますが、ご一読いただけますと幸いです。すでにご存知の方も多いかと思いますが、私、高畑裕太は今から9年前にとある出来事(以下において「本件」とします)により逮捕されて、世間から大きな注目を浴びた過去がございます。本件の内容は、当時地方での撮影期間中に滞在していたホテルにおいて、私がホテル従業員の女性に対し「性的暴行を加えた」とする容疑がかけられたというもので、連日TVなどのマスメディアで報道されました。その後およそ二週間の勾留期間を経て、検察官による最終的な判断として、私は不起訴処分となり、釈放されました。以下は、私自身の認識および関係者が把握している範囲の事実に基づく説明です。まず、ホテル従業員の女性と関係を持ったこと自体は事実です。しかしながら、報道されたような「性的暴行」に該当する行為は行っておりません。また、怪我を伴うような暴力行為も行っておりません。当時、「歯ブラシを持ってきてほしいとフロントに電話をかけ、来た女性を無理やり部屋に引きずり込んだ」といった報道がなされましたが、このような事実はありません。当日の詳細な事実経過については、プライバシーの観点から、この場での説明は控えさせていただきます。ただし少なくとも、報道にあったような一方的に電話で呼び出し、無理やり室内に連れ込むといった事実はなく、事実と報道には大きな齟齬がありました。加えて、私が警察署で取り調べを受けている最中、当時所属していた事務所および撮影関係者が警察署内で待機しているところに、ホテル従業員の女性の「交際相手」を名乗る人物が怒鳴り込んできました。この人物については、その後、元暴力団関係者であることが判明しました。この人物から、当時所属していた事務所および関係者に対して、高額な金銭要求が行われていたことも確認されています。このような経緯が存在していたことは、本件の全体像を理解する上で無視できない要素であると考えます。また、本件については、先にも記載した通り、約二週間の勾留期間を経た後、最終的に検察の判断により不起訴処分となっておりますが、重要な点を補足させてください。当時私にかけられていた容疑は「強姦致傷罪」というものであり、これはいわゆる刑事事件の中でも重大な犯罪類型に該当します。そして本罪は、当時においても「親告罪」ではありませんでした。親告罪とは、被害者が「処罰してほしい」と告訴しなければ、起訴できない種類の犯罪を指します。一方で本件は、被害者の意思の有無にかかわらず、検察が証拠や事実関係に基づいて、起訴・不起訴を判断する「非親告罪」に分類されていました。すなわち、仮に当事者間で示談が成立していたとしても、それのみをもって当然に検察官が不起訴と判断する性質の事件ではありませんでした。したがって、「示談をしたから不起訴になった」という単純な構図で本件を理解することは、刑事手続の実態とは一致しないものと考えており、本件においては、そうした前提のもと、検察が最終的に不起訴という判断を下したと受け止めています。なお、私自身は示談に応じておりますが、それはあくまで当時の状況下において、長期間不安定な立場に置かれるリスクを考慮したうえでの判断によるものであり、仮に起訴されていれば、無罪主張を行っていたことに変わりはありません。以上が、本件の刑事事件としての結果及びその法的な位置づけについての私の認識です。本件の経緯は、過去に一部週刊誌で報じられたことを除き、私の身近な範囲でのみ共有されており、当時大々的に報じていたマスメディアなどの報道媒体で報じられることはありませんでした。そのため、世間に報道された内容と事実の間にあるギャップを埋める機会はほとんどなく、時間だけが経過していきました。今日に至るまで、私は本件についての弁明を公にすることはせず、必要に応じて信頼関係のある方や公演で関わる方にのみお話ししてきました。その理由は単純に、「怖かった」という気持ちに加え、自分が言葉を投じることによって、家族や、周囲の方々にまた迷惑をかけてしまうのではないかという想いが拭えなかったためです。しかし、これまで多くの方々にご迷惑をおかけした事実を胸に抱えつつ、長い時間をかけて自身の気持ちと向き合ってきた過程で、いつかは自らの言葉で整理し、説明すべき時が来るのではないかという想いが少しずつ強くなっていきました。本件における私自身の軽率な行動により、多くの方々に多大なご迷惑をおかけしたことは紛れもない事実であり、弁解の余地はございません。皆様の期待を裏切ったこと、多くの方々を傷つけてしまったことを、ただただ深く反省しています。また今後も一生をかけて背負い続けていくべきものだと考えています。しかし一方で、当時の報道によって形成された私の印象が、そのまま現在まで固定化されている状況については、今後の人生や活動を行っていく上で、大きな制約となっていることも事実です。また、今年2026年は本件から10年という月日を迎える年となります。この9年間、私は本件を胸に抱えながらも、一方で劇団を主宰し、表現活動を通して、自分なりに人生を積み重ねてきました。それは、両親や家族、友人、そして関わってくださった多くの方々の支えがあってこそ成り立っているものだと感じています。そして、当時の報道による悪影響が私個人にとどまらず、関係者の方々にまで及ぶことが未だにあることから、今後も活動を続けていくにあたり、過去の出来事について自らの言葉で正式に説明することが、関わってくださる方々に対する誠実さであると考えるようになりました。その想いと、10年という歳月を踏まえ、本書の作成に至りました。本書の公表は、現在の環境に対する感謝と、これからの人生および活動に向き合っていくために行うものです。したがって、本書は、過去の出来事に対する法的な主張や、何らかの請求を行うことを目的としたものではございません。今後についてですが、私は一人の表現者として、また一つの団体を率いる立場として、これまで以上に責任と自覚を持って、誠実に取り組んで参ります。本書を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。高畑裕太
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