米中首脳会談1日目の習近平国家主席の発言を聞いた経済・政治アナリストのジョセフ・クラフトさんは2026年5月17日放送の「日曜スクープ」(BS朝日)で「これは脅迫だ」と中国側の姿勢を言い切った。その習近平氏の発言は14日の首脳会談で、米トランプ大統領に対して「台湾問題は中米関係の中で最も重要な問題。適切に処理できなければ両国関係はぶつかりさらには衝突し非常に危険な境地に追い込むことになる」と話したことを指す。
トランプ氏は自分から譲歩してしまった
ジョセフ・クラフトさんは日本在住の米国人で、東京国際大学副学長も務める。
ジョセフさんは「私からみるとこれは脅迫です。初めて中国の国家主席が軍事、武力を示唆してアメリカの大統領につきつけた。そこで大統領は何も言えなかった。あの場で本来トランプ大統領は意に介さず、『アメリカの一つの中国政策は全く変わらない』と突き返さなければいけないのに、台湾への武器売却を考え直すと(示唆し)、本来アメリカの最大のカードが台湾なのに、相手が譲歩する前にこっちから譲歩すると言っちゃったわけです」と話した。
アメリカの威厳低下とアジアのパワーバランスの転換を象徴していると見る。そして「20年先、もし中国がアジアを席巻しているようなことになって、振り返ればまさに今日がその一つの(転換の)始まりだったと見るくらい重要なできごとだと思う」と話した。
大統領は中国に「完全にバカにされている」
トランプ大統領によると、習近平国家主席が「有事の際に米国は台湾を防衛するのか」と聞いてきたという。政治的にかなり機微に触れる内容で、実際、このようなやりとりがあったかどうかは不明だが、ジョセフさんは「こう言われた瞬間にバカにされています。これを聞いて『守る』と言われたら、もう米中国家間が対立になる。私はそもそも(習近平国家主席はこのようなことを)言っていないと思うが、言ったとしたら完全にバカにされている」と突き放した。
これでは、米中関係は対等というより中国が上ではないのか。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)