高市早苗首相と韓国の李在明大統領の「幽霊トーク」が、にわかにネットの注目を集めている。
「日本では夜中ですけどね、幽霊(が出るの)は」
高市氏は2026年5月19日、李在明氏の故郷である韓国・安東を訪問し、会談を行った。
話題を呼んでいるのは、晩餐会へ向かう道中のひと幕だった。韓国大統領府がYouTubeチャンネルで公開している動画で公開されたものだ。
韓国の伝統家屋「韓屋」を利用した高級ゲストハウス「楽古斎(ラッコジェ)」に案内された高市氏。自然豊かな敷地を歩きながら、李在明氏が「風がすごく気持ちいいですね」とすると、高市氏も笑顔で応えた。
李在明氏は「韓国ではちょうど今この季節が、山の景色も綺麗で最高なんです」と紹介。すると、美しい山々に囲まれた辺りを指し、「こういうところに、幽霊が出るんです」と明かした。
夕暮れ時だったことから、高市氏は「日本では夜中ですけどね、幽霊(が出るの)は」と応じ、「私が住んでる総理公邸は、幽霊が出るので有名なんで」とした。
「この暗がりでする話じゃねぇwwwww」
通訳から話を聞いた李在明氏は驚いた様子で高市氏を見ると、高市氏は「昔、首相が撃ち殺された場所なんです」と身振りを交えて続けた。興味深げに話を聞く李在明氏に、「変な音が毎晩してたけど、多分建物が古くて......」と説明していた。
日本側の通訳の男性からは、「森喜朗」の名前も聞かれた。旧公邸に住んだ森喜朗元首相は、かつて公邸で幽霊に悩まされたひとりだ。
自民党の岩屋毅衆院議員は05年4月にウェブサイトに掲載したコラムで、森氏から直接聞いたエピソードを明かしていた。
「ベッドで寝ていると『ザックザック』といういかにも複数の軍靴の足音が近づいてきてドアの前でぴったり止まったそうだ。慌てて飛び起きた森さんが『誰だ!そこにいるのはっ!』とドアを蹴り開けたのだが、そこには誰もいない。すぐに秘書官に連絡を取ったが、当然のことながら誰かが公邸に入ってきたという痕跡もない。そこではじめて背筋がゾーーーッと寒くなったのだそうだ」
通訳は、李大統領にこうしたエピソードを教えていたものとみられる。
SNSでは、「幽霊トーク」を楽しむ高市氏と李在明氏の様子をまとめた動画が拡散されている。
「マジで軽々とこんな話できるの高市早苗首相しかおらんやろwww」「この暗がりでする話じゃねぇwwwww」など、面白がる声が多く上がった。また、「高市さんの幽霊の話、続き聞きたすぎる」といった声もある。
安倍晋三氏も「幽霊が出るから嫌なんです」
首相公邸の「幽霊話」は広く知られた都市伝説でもある。13年7月、当時の安倍晋三首相は、公邸に引っ越さない理由を聞かれ「幽霊が出るから嫌なんです」と冗談混じりに答えたことがあるという。
公邸は1929年に首相の職場にあたる首相官邸として建てられ、しばしばテロの舞台にもなった。32年の5・15事件で犬養毅首相が、36年の2・26事件では岡田啓介首相の義弟などが射殺されるなど、いわば「血塗られた歴史」を持った場所でもある。
2013年5月には当時の民主党の加賀谷健参院議員から「旧総理大臣官邸である総理大臣公邸には、二・二六事件等の幽霊が出るとの噂があるが、それは事実か」との質問主意書が提出され、政府が「お尋ねの件については、承知していない」との答弁を閣議決定したこともある。
当時、菅義偉官房長官は「長官も公邸に何度か入っているが、そういった気配はあったのか」と問われ、「言われればそうかな、と思う」と応じていた。