高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 巨人・阿部監督逮捕&辞任劇、拭えぬ後味の悪さ 避ける方法なかったか

   2026年5月25日の夜、巨人の阿部慎之助監督が娘への暴行容疑で現行犯逮捕されたとのニュース速報があり、驚いた。翌日阿部氏の辞任会見があり、その場で娘さんの手紙が読み上げられ、さらに驚いた。

  • 逮捕から1夜明けて記者会見に臨む阿部慎之助前監督(写真:スポーツ報知/アフロ)
    逮捕から1夜明けて記者会見に臨む阿部慎之助前監督(写真:スポーツ報知/アフロ)
  • 阿部氏が東京ドームに復帰する日は来るのか
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  • 逮捕から1夜明けて記者会見に臨む阿部慎之助前監督(写真:スポーツ報知/アフロ)
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逮捕情報は誰がリーク?巨人の対応は素早かった

   簡単に時系列をみると、(1)姉と妹の娘の間のケンカ、(2)止めに入った阿部氏が姉に暴力、(3)驚いた姉が児童相談所に連絡、(4)児童相談所から警察に110番通報、(5)警察が駆けつけ現行犯逮捕、(6)現行犯逮捕の報道、(7)翌日阿部氏が辞意を表明、(8)巨人はすぐ対応し辞任という流れだ。

   (1)はどの家庭でもよくある話だ。(2)で止めに入るのはよくあるが、暴力はまずい。(3)で姉がチャットGPTに聞いて児童相談所に連絡というのは、いかにも現代的だ。(4)、(5)は筆者のような古い人間から見ると、もう少し柔軟な対応があってもいいと思うが、これも今では普通の対応らしい。筆者はアメリカに住んでいたが、家庭内暴力に対し、警察も厳しいのでこんなものだろう。(6)は著名人の逮捕なら報道するだろうが、誰がリークしたのか。(7)、(8)は素早い。巨人の対応についてみても、企業イメージを確保する観点から大リーグでの類似案件に対する対応を見ればそんなものかと思う。

第三者への連絡以外の道を取れなかったのか

   こうしてみると、(2)阿部氏の暴力と(3)姉のチャットGPTに聞いて児童相談所に連絡、がポイントだ。

   突き詰めていくと、娘に第三者(児童相談所)に連絡させるような暴力を振るった阿部氏が一番問題で、家庭内に留められなかった娘にも幾分かの問題があるとなる。さらにいえば、ケンカの一部始終を見ていた家族で、第三者への連絡以外の道を取れなかったのかと悔やまれるところだ。

   阿部氏の辞任により家族が失ったものがあまりに大きい。よくある家庭問題を大きくしすぎたのが、モヤモヤ感があり、後味の悪さが残るのだ。おそらく、家族のみんなが本意でないだろう。

   いずれにしても、いくら家庭問題といっても暴力は御法度で、ひとたび第三者に知れたら著名人は大きな代償を被ることになる。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはしよういち)元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。

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