5年目に入ったロシアによるウクライナ侵攻の戦況はどうなっているのか。2026年5月29日放送の「深層NEWS」(BS日テレ)は、ロシアは兵員不足で苦しんでいるという軍の内情も紹介しながら今後の行方をとりあげた。
ロシア大統領府「新規入隊者に最大約2200万円まで債務を免除」
番組は、ロイター通信の報道としてロシア大統領府がロシア国防省との契約者(新規入隊者)と配偶者に最大1000万ルーブル(約2200万円)まで債務を免除することを紹介した。
欧州・ロシアなどの外交戦略に詳しい筑波大学教授の東野篤子さんは「ロシアは悪い意味でクリエイティブな国だと思う。戦争の最初の頃は犯罪者を投入し、それがある程度底をついてくると、このように多重債務者を対象に戦場に投入する。ロシアの社会からみるとちょっとお荷物だった人間、そういう人は戦場で貢献してもらおうというそういった発想はなかなか出てこないが、ロシアは次から次へと出てくる。兵員不足の苦しさという面もあるが、どういう人間から戦場に投入していくかという計算がものすごく冷徹に働いていると思う」と話す。
務め上げて帰る「犯罪者」が社会に戻りどのような問題を起こすのか
キャスターの右松健太さんは「ロシア社会にとって少々お荷物の人間を戦場に送り出すというのは、裏を返せば(彼らが)生きて帰ってくると思っていない、そういうことを織り込んで債務を免除してあげる大盤振る舞いという意図を感じる」と話す。
東野さんは「実際のところ、犯罪者も務め上げて帰ってくる人もいる。その人たちが社会に戻ってどのような問題を起こすのかという研究がすでに進んでいる。その人たちをお金で(戦場に)再投入するのか、それともその人たちをどのように社会に受け入れていくか検討するのか、私は前者だと思う」と話す。
右松さんは「ウクライナでは侵攻するロシアに対抗して戦地に向かう若い兵士を英雄視し、一方でロシアは(犯罪者や多重債務者など)社会的にそういった立場の人を送り込む。戦場って一体何なのかと思わざるをえない」と話した。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)