日の丸を破損する行為を罰する「国旗損壊罪」の策定を急ぐ自民党は、法律の骨子案を大筋で了承、今国会での成立に動き出した。「サンデーモーニング」(TBS系)の膳場貴子キャスターは2026年5月31日放送の「風をよむ」コーナーで、「高市総理の下、国旗損壊罪を定めようという議論が進んでいます」と取り上げ、民族派政治団体代表のコメントを紹介した。
自民党内からも「内心や表現の自由を萎縮させる恐れがある」
高市首相は「日本国旗を棄損しても沙汰なし。変じゃないですか。やっぱりおかしい」というのが持論で、15年前には刑法改正案を提出したこともある。いわば悲願だ。しかし、法律家や野党だけでなく、自民党内からも「内心や表現の自由を萎縮させる恐れがある」として反対の声が上がっている。
民族主義系団体にも「法律で罰するのは筋違い」という声がある。サンモニのインタビューに、民族派団体 「一水会」の木村三浩代表が登場した。
「日の丸は自然に自分たちが敬愛して、大切なものなんだよということを育んでいけばいいのかなと思うんですよね」とこう話す。
「それを法律で決めるということ自体が、何なんですか、と私は思うんですよ。規則だから仕方がない(ということでは)、自分からこれは尊いものという意思が出ない。日の丸は大切です。そんな(法律で決めるような)安っぽいものではないぞということを、本当に言いたいですよ」
小渕恵三元首相も刑罰をもって強制することに慎重だった
一水会は1970年に東京・市ケ谷の自衛隊駐屯地で割腹自殺した作家・三島由紀夫氏の思想も継ぐ団体で、「民族派右翼」とも呼ばれる。
膳場キャスターは「木村代表は国民に自然に日の丸を大切に思うことが重要であり、罰則によって、その尊重を強制すべきではないと言います」と説明した。
国旗国歌法を定めた小渕恵三元首相も国旗棄損罪については、「国家の威信の保護の在り方として、刑罰をもって強制することは適当かという根本的な問題がある」として退けたと紹介した。
高市首相の悲願だからというだけでは説得力に欠ける。
(シニアエディター 関口一喜)