「愛子天皇」めぐり人気を支える「世論」とメディア 気になる高市支持率への影響

   高市早苗首相の、国論を二分する政策のひとつとされる「皇室典範改正」は、2026年6月8日に、衆参両院の議長副議長がとりまとめ案を示す見通しだが、これまでのところ国民人気の高い「愛子天皇」をめぐる議論はない。高市首相も与党ら多数派も、これまで通りの「男系男子」による継承を主張している。しかし、この政治の流れとは別に「愛子天皇」の人気は高く、高市内閣の支持率よりも底堅いかも知れない。

  • 高市早苗首相(2025年12月撮影)
    高市早苗首相(2025年12月撮影)
  • 蓮舫氏(2024年7月撮影)
    蓮舫氏(2024年7月撮影)
  • 高市早苗首相(2025年12月撮影)
  • 蓮舫氏(2024年7月撮影)

「愛子天皇」待望世論と自民党内の「男系男子」こだわり

   2026年5月の世論調査を見ると、朝日新聞調査では、「女性も(天皇に)なれるようにした方がよい」が72%、毎日新聞では女性天皇に「賛成」が72%、読売新聞(25年9~10月)では、「賛成」が69%だった。

   そうした「風」を読んで蓮舫議員(立憲民主党)が26年3月16日の参院予算委員会で次のように高市首相の見解を問い質した。

「世論は6割、7割、8割、愛子天皇を認めるという声がある。女性天皇への法改正へ歩みを進めるか」

   しかし、高市首相はあっさり否定した。

「次世代の皇位継承資格者として悠仁親王殿下がいらっしゃることを前提に、この皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」

   皇室典範は皇位継承について「皇統に属する男系の男子」と定めており、今回の改正でも「女系天皇」をめぐる議論は棚上げにされている。

20年前の「女性・女系天皇容認」報告書議論を先送りのまま

   男性皇族は年々減り、次の世代の継承者は、現状では秋篠宮家の悠仁さま1人だけ。

   小泉純一郎内閣が設置した有識者会議では、父方が天皇につながる「男系男子」から、女性女系天皇容認を柱とする報告書をまとめ、皇室典範改正の機運が一気に高まった。しかし、「男系男子」による継承を主張する議員らが反発、06年9月に、皇室にとって41年ぶりの男子となる悠仁さまが誕生すると、機運はしぼみ、結論は先送りになった。

   2021年末に岸田文雄内閣でまとめられた有識者会議の報告書では、(1)女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ(2)旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える、との2案の検討を求めた。これが現在の議題として、先送りされてきたのだ。

読売新聞「女系天皇の可能性も視野に入れた制度改革」を提言

   今国会でも、衆参両院の正副議長が、上記2案を軸に、各党各会派の意見を聴取、改正案をまとめて、今国会中に成立を目指しているが、棚上げ状態の「女系天皇」議論は素通りされてしまう可能性が高い。

   こうした中で、新聞、雑誌などのメディアでは、「世論と乖離した国会議論」に対する疑問の声が強くなっている。

   中でも、読売新聞は2025年5月、(1)女性宮家の創設を(2)夫・子も皇族に(3)皇統の存続を最優先に(4)象徴天皇制、維持すべき、との4項目の提言を出している。

   「女性宮家」の提言のなかでは、「女性天皇に加え、将来的には、母方のみが天皇の血を引く女系天皇の可能性も視野に入れた制度改革を」としている。

   皇室典範改正案 の内容が、8日の各党派の代表者会議で明らかになると、メディア側の「愛子天皇待望論」が、高市内閣や自民党への支持率にどう影響してくるか。

(ジャーナリスト 菅沼栄一郎)

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