就職・転職活動では、求人票に掲載されていた内容と、実際の職場の雰囲気にギャップを感じるケースもある。
厚生労働省は、求人企業に対して、「虚偽の表示」や「誤解を生じさせる表示」はしないよう求めている。一方で、実際に面接や職場見学を通じて、初めて分かる空気感に戸惑う人もいるようだ。
中村幸太郎さん(仮名・30代)は、数年前に応募した際、違和感を覚えたという。
「未経験歓迎」のはずが...面接官は終始高圧的だった
中村さんが応募した求人票には、「未経験でも大丈夫」「優しく丁寧に指導します」「業務修得に時間がかかっても問題ありません」といった内容が記されていた。
「未経験でも挑戦しやすそうだと思って応募しました」
しかし、面接が始まると印象は変わっていったそうだ。年配の男性面接官からは、
「うちは多くのお客様の大事な資産を扱っているんでね」
「ミスなく、しっかりやってもらわないと困るね」
などと、強い口調で言われた。
さらに、「効率よくテキパキ働いてくれないと、定時までに終わらないよ」とも言われたという。
その後、職場体験にも参加した。しかし、覚えることが多く、作業手順をメモしていたところ、「メモばっかり取るんじゃなくて、体で覚えなきゃダメだよ」と注意されたそうだ。
「質問がしにくい環境なのでは......」
ほかにも気になることがあった。中村さんは職場全体に緊張感が見てとれたという。
「スタッフ同士の会話も少なく、全体的にピリピリしていました」
中村さん自身が入社した場合も、「質問がしにくい環境なのでは......」と不安になったそうだ。そんな雰囲気を感じた中村さんは一次面接の結果を待たず、自ら辞退を申し出た。
「求人票の内容だけでは、分からないことも多いんだなと思いました」
近年は、給与や勤務条件だけでなく、職場の雰囲気やコミュニケーションの取りやすさを重視する求職者も増えている。面接や職場見学の際は、求人情報だけでなく、自分に合った環境かどうかを見極めることも重要だ。