ある日突然「危険です」「事故につながる」と言われ...給湯器を25万円で交換 この金額は本当に妥当だったのか

   「給湯器が古くなっていて危険です。今すぐ交換した方が良いです」突然訪問してきた業者からこう言われ、工事費込みで25万円の契約を迫られたら、どう判断すればいいのだろうか。

   給湯器は毎日の生活に欠かせない設備だ。壊れれば入浴や台所で困るため、「危険」と言われると不安になりやすい。ただ、焦って契約すると、本当に必要な交換なのか、費用が妥当なのかを確認できないまま話が進んでしまうこともある。

   今回は、給湯器の交換費用として25万円を提示された事例をもとに、契約前に確認したいポイントをFPが解説していく。

  • 「給湯器が危険」と突然の訪問業者が…(写真はイメージ)
    「給湯器が危険」と突然の訪問業者が…(写真はイメージ)
  • 「給湯器が危険」と突然の訪問業者が…(写真はイメージ)
    「給湯器が危険」と突然の訪問業者が…(写真はイメージ)
  • 「給湯器が危険」と突然の訪問業者が…(写真はイメージ)
  • 「給湯器が危険」と突然の訪問業者が…(写真はイメージ)

家族に相談する前に契約→すぐ交換する必要はなかったことが判明

   70代の女性が一人で暮らしている自宅に、業者が訪問してきたケースをもとに考えてみよう。当初、業者は「近くで工事をしているので、給湯器を無料で点検できます」と説明した。

   女性宅の給湯器は設置から12年ほど経っていたため、費用がかからないならと思い、点検してもらうことにした。10分ほどした後、業者から「部品が、かなり劣化しています」「このまま使うと事故につながるかもしれません」と告げられた。

   さらに、「10年以上使っている給湯器は故障しやすい」「今なら在庫があるので、今日中に交換できます」と畳み掛けるように説明された。提示された金額は「工事費込み25万円」。

   女性は、高いと感じたものの「冬にお湯が使えなくなったら困る」「事故になったら怖い」と不安になった。業者から「後日だと在庫がなくなるかもしれません」と言われ、家族に相談する前に契約してしまった。

   翌日、家族が契約中のガス会社に確認したところ、給湯器は古くなっていたものの、すぐに交換しなければならない状態ではないことがわかった。(※プライバシー保護の観点から内容を一部脚色)

   ここでの問題は25万円という高額な価格だけではない。短時間の点検で不安をあおられてしまい、比較検討しないまま契約してしまった点にも注意が必要である。

25万円は高すぎる? でも、金額だけでは判断できない

   給湯器の交換で25万円という金額は、必ずしも不自然とは言い切れない。交換費用は、本体の種類・号数・追いだき機能・暖房機能・設置場所・工事内容などで大きく変動する。

   給湯専用のシンプルな機種なら費用がかかる可能性がある一方、追いだき付き・床暖房対応・特殊なマンションへの設置タイプであれば、相場の範囲内と考えられることもある。

   たとえば、東京ガスは、壁掛型の暖房付きふろ給湯器の交換費用について、約27万~28万円を目安として示している。つまり、大切なのは、金額だけで判断しないことだ。まずは、見積書に、本体の型番、工事費、追加費用、保証内容などがしっかり書かれているか確認する必要がある。

「今日中に決めないと危険」は一度立ち止まる

   また、給湯器は10年以上使っていれば、点検や交換を考える時期に入っている可能性が少なくない。国民生活センターも、10年を目安に信頼できる事業者による点検や取り替えの検討を案内している。

   ただし、「古いから交換する」ことと「今日、この業者と契約する」ことは、まったく別の話である。それが、今回のポイントだ。とくに、次のような場合はその場での契約に注意が必要だ。

●「今日契約しないと間に合わない」と急かされる
●「今だけ特別価格」と言われる
●見積書の内訳がはっきりしない
●家族やガス会社に相談させてもらえない

   契約前には、給湯器の使用年数を確認し、契約中のガス会社やメーカーなどに相談したい。相見積もりは、価格の比較だけでなく、本当に交換が必要かを確認するための作業でもある。

   訪問販売で契約した場合でも、契約書面を受け取った日から8日以内であれば、クーリング・オフできる場合がある。困ったときは、すぐに「消費者ホットライン 188」や地域の消費生活センターに相談するとよい。

   給湯器交換で避けたいのは、比較しないまま不要な負担を抱えることである。「危険です」と言われたときほど、その場で決めず、契約先と費用を落ち着いて見極めたい。



【プロフィール】
石坂貴史/証券会社IFA、AFP、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、マネーシップス運営代表者。「金融・経済、住まい、保険、相続、税制」のFP分野が専門。

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