高市早苗首相の国会答弁にあきれる声が広がっている。事務所が誹謗中傷動画の拡散や暗号資産「サナエトークン」に関与した疑惑を巡り、連日の野党からの追及に「業務時間も確保できない」「ほとんど睡眠もとってません」と述べ、答弁を事実上拒否。首相に就任した2025年に「働いて働いて働いて働いてまいります」と大見得を切った姿は見る影もない。「私自身もワークライフバランスという言葉を捨てます」とは一連の疑惑を巡り、高市首相は当初、誹謗中傷動画の作成者と自身の秘書は「面識がない」と断言。しかし、週刊誌報道によって秘書と動画作成者によるオンライン会議の音声などが公開されると、説明は二転三転している。6月22日の衆院予算委員会でも、野党から追及が続いた。中道の後藤祐一衆院議員が動画作成者と秘書の接点を質すも、首相は正面から答えず。さらに週刊誌報道への対応で「私の総理としての業務時間も残念ながら確保できなくなってきております」と主張。事実関係については秘書の陳述書を後日提出することで済ませる意向を示した。この態度に後藤議員は、前週金曜の昼に質問が通告済みだったとして「圧殺するんですか」と不満をあらわにした。すると高市首相は、持ち帰って読む資料が膨大であるとして「本当に金曜日の夜から今朝までの間、ほとんど睡眠もとってません」と答えた。高市首相といえば、25年10月に自民党総裁に選ばれた際に「私自身もワークライフバランスという言葉を捨てます。働いて、働いて、働いて、働いて、働いてまいります」と高らかに宣言。パフォーマンスの効果があったか高い支持率を獲得し、26年2月の衆院選でも歴史的大勝を飾った。それだけに、国会での「寝てない」アピールには多くの失望と批判が集まる事態となった。識者は論点すり替えに警戒、芸能人からは擁護論も高千穂大の五野井郁夫教授はSNSに「総理の器ではないでしょうね、この程度で仕事に支障が出るようでは」と酷評。九州大の南野森教授は「今後この質疑が切り取られ中傷動画問題よりも重要なものが!高市さん疲れてて可哀想!的な論調で野党を批判する声が大きくなるかも」と論点のすり替えを警戒した。野党議員からも冷ややかな視線が注がれている。中道の伊佐進一衆院議員はSNSで「どの会社の社長も団体のトップも、真剣勝負の交渉の場の相手に対し、『忙しいから』とか『寝てない』とか、絶対言わないですよね」と批判。共産の山添拓参院議員は「民主主義の根幹である選挙をめぐる高市氏の陣営の疑惑であり、必要なら十分時間をとって準備すべきだ。深夜になる前に」と苦言を呈した。高市首相は6月5日、週刊誌報道について「いま私は日本国を背負って国家経営に取り組んでおります。本当にそういうことに時間を使っている時間は、暇はない。そういう思いでございます」と強調。これに対し、テレビ番組では同調する芸能人の声もあった。タレントの小倉優子氏は6月7日、TBS系情報番組「サンデー・ジャポン」で「国会でこれを今討論してるのってすごく時間がもったいないと思っちゃう」として、「私もシロだったらシロで、ちゃちゃっと終わらせて、もっと大切なことを国会で答弁してもらいたい」と発言。タレントの眞鍋かをり氏も6月21日、テレビ朝日系情報番組「ビートたけしのTVタックル」で「誹謗中傷動画の真相究明は必要かもしれないけれど、国益を考えて国会の時間を使ってほしい」と自論を述べた。魚の調理法や自転車歴の質問には嬉々として答えるしかし、6月22日の参院予算委員会で見せた与党議員とのやり取りこそが「国会の時間の無駄遣い」であると火に油を注ぐ格好となった。自民の江島潔参院議員から魚調理の経験を尋ねられると、高市首相は「魚を3枚におろすことはできません。しかし、焼くことはできます」と鯖や鮭の調理について、野党からの質問とは打って変わって明瞭に答えた。江島議員は自転車歴についても質問。首相は「小学生、中学生と自転車に乗っておりました。自動二輪の免許を取ってからは乗っておりません」と述べ、過去に選挙で久々に乗った際に転んだ逸話を明かした。自身の疑惑追及は答えない一方、単なる世間話のような質問には嬉々として答える姿に対し、SNSでは怒りが爆発。「国会で聞くことがコレ。国民の生活と何の関係があるんだよ」「コレの準備で寝てないのか...」「週刊誌ネタの方がマシ」と大荒れとなった。立憲民主党の田島麻衣子参院議員はSNSに「総理は先週金曜から二日間寝ておらず答弁準備もできない設定だが、自民党の魚三枚おろしやサバグリルの質問には、何故こんなに笑顔で元気溌剌(はつらつ)なのだろう」と皮肉を込めて投稿した。
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