スーパーや商業施設の駐車場が混雑していると、車や歩行者がさまざまな方向から行き交うため、思わぬ接触事故が起こることもある。
2025年7月に金融庁が公表した「2025年 保険モニタリングレポート」では、相手との事故状況の認識が食い違うことで過失割合の交渉が難航し、契約者の心理負担が大きくなることが指摘されている。また、ドライブレコーダーの映像を活用することで、客観的な事実に基づいた交渉が進みやすくなるとしている。
山口唯さん(仮名・40代)は、駐車場での接触事故をきっかけに、相手の態度や保険会社同士の交渉に理不尽さを感じたという。
「そっちが当たってきたんじゃないの?」相手のひと言にショック
数年前の大晦日のことだ。年越しのための買い物を終え、スーパーの駐車場から車を出そうとした。駐車スペースを出て数メートル先にある十字路で左右を確認し、徐行しながら進んでいた。
その時だった。わき道から白い車が突然現れ、山口さんの車の右前部分に接触したのだ。
「なにが起きたのか分からなくて、とにかく驚きました」
急いで車を降りて車体を確認した後、相手の男性に「お怪我はありませんか?」と声をかけた。相手は50~60代くらいの男性。山口さんが女性だと分かると、態度が変わったように感じたという。
「ちゃんと前を見てたの?」「そっちが当たってきたんじゃないの?」
まるで、自分には非がないと言わんばかりの口調だった。
山口さんは、「駐車場だし、お互いに注意しなければならない場所なのに」と思いながらも、「確認不足ですみません」と謝罪した。その場で連絡先を交換し、保険会社を通して話し合うことになったそうだ。
5対5だったはずの過失割合が...最終的に「こちらが6」の結果に
帰宅後、山口さんは加入している保険会社へ連絡し、その後の交渉を任せることにした。相手は年末年始で、県外から実家へ帰省しているという状況だった。
保険会社同士の交渉が始まると、当初は「5対5」だった過失割合が、「4対6」「3対7」へと変化していった。
「お互いに安全確認をする義務があると思っていました。それなのに、どうして私ばかり責任が重くなるのか納得できませんでした」
山口さんは、加入している保険会社にも何度もそのように伝えた。
しかし、最終的な過失割合は、山口さんが6で相手が4というかたちで示談となった。
「女性だから軽く見られているように感じました。中古の軽自動車ということもあって、『修理代もそんなにかからないだろう』という雰囲気で話をされ、すごく悔しかったです」
駐車場内では速度が出ていなくても、交差するところでは一時停止する意識で運転することが重要だ。また、事故が起きた際は、車両の損傷状況や現場を写真やドライブレコーダーで記録し、トラブルを防ぐことも必要だろう。