国主導による調達としては、世界最大級の規模に
日本はもうデジタル分野で海外に勝てないのか──。そんななか、次のデジタル開発競争の主戦場となるのがAI(人工知能)だ。アメリカや中国が先行し、すでにChatGPTなどの海外発サービスが日本にも浸透しているが、日本も指をくわえて見ているわけではない。
2026年7月16日、国産AIの基盤開発を目指す企業連合が正式に発足した。ソフトバンク、ソニーグループ、ホンダなどが参加し、各社は開発の中核を担う新会社「Noetra」に出資している。重点を置くのは、工場の機械やロボットなどを自律的に動かす「フィジカルAI」だ。AIに生産現場で蓄積されたデータを取り込み、競争力の向上につなげる狙いがある。
国も開発と運用に最大1兆円を投じる。米エヌビディアの次世代AI半導体「ルービン」を約2万7500基導入し、2028年にも大規模なAI計算拠点を稼働させる計画だ。国主導による調達としては、世界最大級の規模になるという。
エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは7月16日、経済産業省のイベントでスピーチし、
「日本自らが『ジャパンAI』を所有し、向上させ、活用していかなければならない」
と述べた(17日付のロイター)。
政府が最大1兆円を投じる「国家的プロジェクト」となるAI事業の成否は、日本のデジタル開発競争の未来を映す試金石になりそうだ。